DISORDER6 (通常版)

総プレイ時間30時間程度、プラチナトロフィー獲得後のレビューです。・シナリオストーリーは序盤の逃亡劇、中盤のコメディっぽいシーンから終盤へのクライマックスへとシフトしていきます。途中に表示される選択肢を選び分岐していくという、オーソドックスなノベルゲーといった内容です。序盤に物語の中核となる「謎」をばらまいておいて、終盤に一気に回収しているような急展開で、プレイヤーは置いてけぼりを食わされます。ヒロインと主人公が多重人格や殺人犯の疑いをかけられたり、二人が手錠で繋がれていたり、近くに死体が転がっていたりと、サスペンスものの王道ながら「続きはどうなるんだろう」という期待を持たせておきながら、ご都合主義で完結させた、そんな感じがします。謎が解けてスッキリした〜という感じはしませんでした。また急展開で進んでいくわりに文章が冗長で、一つの場面内で同じような表現が繰り返しされ、じれったい会話シーンの繰り返しで尺稼ぎしている感じがします。特に中盤のコメディシーンはテンポの悪いキャラ同士のやりとりのせいでその傾向が強いです。特に暴走族関連のイベントは、シナリオライターがバイク好きで書きたかっただけという感じがして、ものすごく蛇足に感じます（キャラクターは悪くないのですが）また分岐も少なく、テキストを全て読んで（既読テキストはスキップして）も、プラチナトロフィー獲得まで30時間程度というボリュームの少なさ、内容の薄さも問題点の一つです。題材は個人的に好きだっただけに、冗長なテキスト、終盤へのご都合主義な展開が非常に残念でした。・キャラ好きになれたキャラクターはいませんでした。しかし、嫌いなキャラクターもいないです。それだけ薄っぺらいということなのでしょうか・・・ただしアユミ、マリヲなど、面白い設定や気になる背景を持つキャラもいるので、きちんとした描写があれば好きになれたキャラもいたかもしれません。描写不足でキャラクターの魅力を殺してしまっているという、非常にもったいない感じがします。ビジュアル的にはシーナのパンクっぽいファッションに手錠のアクセントが可愛いらしく、他のキャラも絵は可愛らしいと思います。・システムスキップ機能、バックログの確認など、必要最低限の機能は搭載されています。が、クイックセーブ・ロードや、バックログから前のシーンへ戻ることは出来ません。この手のゲームによくある、「大したことなさそうな選択肢なのに選択次第でバッドエンド」みたいな地雷も少なからずあるので、これらの機能はあっても良かったかなという気がします。それに付随して、ボタンコンフィグができないのも個人的には不便に感じました。デュアルショック3はその構造上トリガーの押し間違いが発生しやすく、スキップがそのトリガーキー（R2ボタン）なので、うっかりスキップしてしまうことがよくあります（私だけ？）。バックログを読むことは出来るとはいえ、少し不便に感じました。総評として…体験版で序盤である１話をプレイし、引き込まれたので購入しましたが、面白いのは序盤だけというしょんぼりな作品でした。ただ救いようのないほどつまらない訳ではなく、急展開ながら序盤でばらまかれた伏線が終盤できちんと回収されていくので、中盤のコメディシーンでだれながらも最初から最後まで普通にプレイすることが出来ました。とにかく描写の足りなさ、内容の薄さが最大のネックです。一言で言い表すなら「もったいない」作品です。気になるのであれば安くなるか、完全版が出るまで待つほうが無難かと思います。例外として、トロフィーコンプリートまでの時間が短いので、トロコンに命かけている人なんかには強くお勧めできますね。 DISORDER6 (通常版) 関連情報