仕事ができる人できない人
そもそも仕事とは・・・・仕事ができるか、できないか、は、これほどまでに明確なものか、と今更ながらに考えさせられた。そして筆者の根底に流れる暖かい心を感じた。「上司が鬼とならねば部下は動かず」を「剛」とするなら、「仕事ができる人できない人」は「柔」であるといえるだろう。本質が似ているこの2冊は、続けて読むことをお勧めしたい。これほどの「まなざし」をいつか自分も持てるだろうか、・・・・であれば、自分もまわりも確実に幸せになれるだろう。
アントニー・ガウディー [DVD]
スペインの文化的なものの中から如何にして、ガウディが出てきたのかを映像で、見せてくれます。すーーーっとバルセロナに連れていってくれる感じでとても見ていて気持ちが良いです。
世界遺産珠玉の80選 (JTBのMOOK)
世界遺産の大型本を探していたところ、この本を見つけました。
レビューの高評価を信じて買ってみましたが、期待以上に素晴らしかったです。
世界遺産好きな方は是非!
天才と発達障害 映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロル (こころライブラリー)
「天才」と呼ばれる人は世間並みの人間とはどこか違っている。
その違いの源泉はどこにあるのか。近年は能力の優劣だけでなく、その特性ということにも注目が集まっている。
誰それはどうもアスペルガー症候群であったとか、AD/HDの要素があったとか。ある種の偏りがあったからこそ他の人が気付かないようなことに気付き、出来ないようなことが出来たという話である。
設計士である著者自身も視覚優位の認知特性を持っている。そしてその認知と特性を職業生活に活かし、活躍している。
これまで医者や研究者が観察して記述したものはいろいろあった。そういった専門家による観察や考察にも十分価値はあるが、どこか外部からのまなざし、共感はあっても対象についての記述という印象は否めなかった。やはり当事者でないとわからないこともあるし、感じることの出来ないこともある。
また、単なる経験談ではないことにも注目である。当事者が自分の経験を語るという形式の著書もこれまで多く出版されてきた。それも十分に価値があるがやはりある個人の経験という域を出ない部分があることも事実である。
だが、本書は著者が自分の経験や体験を語ることが目的なのではなく、視覚優位・聴覚優位という認知特性について当事者だからこそわかる視点を持って考察することが本書の特色なのである。当事者と研究者の協力によってこれまでにない新たな見解や考察が生み出されている。
確かにダイレクトコミュニケーションのようなオカルトチックなちょっと怪しげな話もあるが、こういった話は当事者でないとわからない感覚であろう。また視覚優位・聴覚優位といったことはこれまでも数多く目にしてきたが、視覚優位でも時間の概念も加えた映像思考、色優位性と線優位性、客体視などの分析を見るとこれまでの認知についての理解が如何に浅薄であった思い知らされた。視覚優位と時間概念という話は自閉症者の認知理解にも役立つであろう。
本書では特異な認知を持った偉人としてガウディとルイスキャロルを中心に取り上げている。聴覚優位のルイスキャロルについての記述はまったく異なった認知様式を持つ他者を何とかして理解しようとする著者の考察が面白い。自分と同じ視覚優位のガウディについての記述には親近感を感じさせる部分が多いが、ルイスキャロルについての記述もタイプは違えども世界への理解に対して困難さを持ち、その困難さ故に偉大な仕事を成し遂げた先人への共感を感じさせるものとなっている。時として客観性を欠くような部分もあるが、だからこそ文章に力を持たせているともいえる。
帯には「10年に1冊の画期的な人智科学の登場である」と書かれている。
大袈裟な文句にも見えるが、それぐらいの価値はある書である。
当事者研究としても、認知についての研究としても第一級の価値をもった書である。