ALICE IN WONDERLAND Picture Book―不思議の国のアリス
木下さくらの初期の画集を見るとカラーリングにやや難点があるとは思っていたが、この本は完璧に改善されています。キャラクターが文句なく可愛いのは期待通りで、しかも絵がいつもの漫画や画集と比べて非常に格調高い。内容はコメディー調ですが、過去の名作めいた風格を感じます。妖しく可愛く美しい木下さくらの絵の一つの到達点ではないかと思いました。
飽くまで「アリス」は原作なので、忠実に物語や台詞が再現されているわけではありません。純粋に「不思議の国のアリス」を読みたい、知りたいという欲求を満たしてくれるわけではありませんが、どんな方でも一読の価値がある本だと思います。木下さくらの絵に耽溺してください。
ソプラニスタ・コンサート
世界で3人ほどしか活躍されていない、という貴重な歌い手のソプラニスタ、岡本知高のガラ・コンサートです。多才なステージ構成で飽きずに一気に聴きました。
フジテレビ系全国ネット連続ドラマの「牡丹と薔薇」の主題歌「涙のアリア」を聴いてファンになった方もおられるでしょう。ここでも、ヘンデルの「私を泣かせてください」に松本隆の作詞を載せた 「涙のアリア」がとても情感のたっぷりとした歌い方でよかったですね。
音程がしっかりしていて、丁寧な歌い方です。勿論、男性ですので、その豊かな体格をいかした声量はどこまでも広がっていくイメージがあります。
劇的なオペラのアリアを聴くと、そのダイナミックな表現力に圧倒されます。特にテノールに有名なソロの「誰も寝てはならぬ」のような華やかなアリアはあっているのではないでしょうか。ドラマチックでとてもメリハリがあって聴きやすかったですね。 男性ですのでどうしてもこのような力強い表現力を求められる曲のほうが良いですね。
またプッチーニのトスカの有名なアリア「歌に生き、恋に生き」は岡本知高の高音の伸びを活かした良い選曲ですね。ドラマチック・ソプラノのアリアが声質に合っているようです。そして、ソプラノ歌手よりも哀愁を帯びた魅力的な声を持っており、少し不思議な香りも感じました。
日本の歌の一つ一つにも、郷愁を感じました。しみじみした日本語の歌もそれぞれが、味わい深く感銘を受けました。
「川の流れのように」が特に気に入りました。とても丁寧で歌唱力がありますし、日本語も聴き取りやすく、歌詞の持つ意味を丁寧に表現しています。
「ヒーリング・ミュージック」のジャンルにも十分入る癒しの声質を持っているようです。
アンコールのキロロの「未来へ」は、是非お聴き下さい。温かい気持ちがとてもよく表現されており、彼のレパートリーの幅広さを物語っていました。
音楽をバックに語りかける言葉の一つ一つがとても胸を打ちました。
素晴らしいコンサートでした。
イラストスタートアップガイドカラーマーカー こだわりたいアナタのための驚異の着彩テクニック解説書 (Comickersテクニックブック)
私のレビューが役に立つかは分かりませんが、「私にも言わせてください!(笑」ってことで・・・。
先月、「ネオピコプチ」という、ネオピコ2の6色セットを3つ家から発掘しまして。
書いてみたらちょっと感動モノ(早い)で、コピックに興味を持ったんです。
届いて早速読んでみると、もうすごいです。細かい。
イラストのほうが、またすごく綺麗で首が痛いです、今。すっごく近くで見てしまったよ(泣
最初の方は、イラストと解説の写真が載ってる構成。
二番目は、色の使い方など。
こんな感じで終わるのかな?と思ったら、まだページが三分の一残ってる。
この三番目は、初心者の私にはかなり嬉しかった「Q&A」。
アルコールマーカーで上から書くと、滲んじゃうペンとか。かすれたペンはどうしたらいいの?とか。
某ウンチク番組じゃないけど、「へえ〜」がいっぱいな一冊でした。
檸檬 (新潮文庫)
「檸檬」は高校の教科書で読んだのを覚えていた。そのほか割と数多い短編を読んで見ると、それは繊細な詩のように感じられた。梶井は凶暴を秘めている。ボードレールに似ているような印象は受けるが、やはりそこは翻訳文学とは違って、美しい本物の日本語。やや、病的な主人公が多かったりしますが、読む価値は充分にあると思います。繰り返し読むのをお勧めします。リズムもいいので。
tactics 14 (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ)
ずっと絵の劣化に唸りながら読み進めていたのですが、ここにきて木下さくら先生、だいふっかーつ!でとても嬉しかったです。
ストーリー的には特に文句なしだったので。
ずっと気になっていた絵柄が元に戻りつつあって安心しました。
けど東山先生はまだ本調子じゃないのかな…?扉の頼光様が別人で少し残念です。
このまま連載初期の綺麗な絵柄に戻ってくれたらうれしいなぁと思いつつ。星4つ!