ユリイカ2010年2月号 特集=藤田和日郎 『うしおととら』『からくりサーカス』そして『月光条例』・・・少年マンガの20年
ユリイカの藤田和日郎特集号です。
とにかく読んでもらいたいのはハガレンの作者・荒川弘さんとの対談。
二人が熱い漫画論を交わしており、思わず「日本漫画界はこの二人がいれば大丈夫だ!」と思ってしまいます。
二人とも、努力家で、働き者で、作品と読者に対して何より真摯であれ。という態度に感動しました。
二人の対談を読みながら、藤田さんに小一時間説教してほしい、少年漫画化が何人か頭に浮かびました。
お祓【はら】い日和 その作法と実践 (幽BOOKS)
加門七海さんの本はいろいろと読んでいます。うわさシリーズの中でも祓いや穢れについて触れていますが、対応策が分かりませんでした。大がかりなことではなく、手の届く作法を美しい写真で紹介されていますので実用書として手元に置いています。特に表紙が清らかで美しいです。
心霊づきあい (MF文庫ダ・ヴィンチ)
私は神秘的な体験をしたことがなく、霊については懐疑的な立場ですが、特に否定もしていません。
文化として霊というものが浸透しており、脳の錯覚により霊を感じるのではと思っています。しかし、明確な根拠がないのも事実です。また、五感を通して感じた刺激を脳で処理をした後に認識しているのであれば、仮に錯覚だとしても、その人の主観においては存在していることに間違いはないのであろう・・・
オカルト的な内容は少なく、霊を感じるとはどういう感覚なのかということを理解するてがかりとなる良い作品です。
もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら (幽ブックス)
満足しました。
「日々是怪談」を読んだのは随分前。
工藤さんの日常にある怪異を、
さらっと切り取ってみせてくれた「日々是怪談」は、
変な解釈もなく直球でした。
工藤さんのユーモアのセンスも混じり、
リアリティのある怪談話として、
読み手をぐいぐい惹き付けました。
(まだお読みでない方はぜひお読みください)
三島由紀夫のエピソードや家族のはなしなど、
「日々是怪談」から続く話題であり、
話が続く面白さがあります。
ただ工藤さんの本作の姿勢が、
回顧録的とでもいうべきでしょうか、
過去を振り返るスタイル。
前作では全編に満ちていたエネルギッシュな印象が、
弱くなっているような気がします。
老けるには早いんじゃないかと思ってしまいました。
もっともっと書いて欲しいですね。
ちなみに元夫の連作が、私は一番怖かったです。