HARD LUCK 5 PARADISE ON THE EARTH-2 (ウィングス文庫)
面白かったです。
前巻から、はらはらさせられっ放しでしたが。
ようやく元の鞘に戻りつつ、さらにグレードアップした兆しもあり。
(本気でチューするんだそこで!という場面あり)
身近な人が身近な人へ危害を加えているのか否か、
そんな曖昧な雰囲気の最中、タクヤひとり世界から逃げてましたが。
エドは彼なりに真実に近づき、相棒を探して奔走する。
黄金パターンですね、手のかかる2人組。
今回はシンの過去が垣間見え、ハルの厨房姿も垣間見え(笑)
三歩すすんで二歩下がるようなタクヤがやっと、前進しはじめたような感じです。
次巻が楽しみです。
漫画のスキマ―マンガのツボがここにある! (Comickersテクニックブック)
この本の肝になる間と視線誘導テクニックは、長年漫画を描いている人なら誰でも「こうしないと何となく気持ちが悪いから」と無意識に使っていると思われます。
しかし、「何となく」であるためにベストポジションから1センチぐらいずれて、充分な効果が得られないのです。
そんな人に明快な理論を与えてくれる本です。
『漫画のスキマ』を参考に下描きをコピー機で拡大縮小し、位置をずらしトレス台で写し直すと、画力のない私でもメリハリのある見やすい感じに仕上ります。
残念な点は、重要なことが会話でさらりと流されてしまい、目につきにくいことです。
図版に直接2色刷りで解説とまとめを多く入れ、分かりやすくして欲しかったです。
理解のため『漫々快々』『快描教室』は必読。
10年大盛りメシが食える漫画家入門
このシリーズの良いところはまず読んで面白いところ。
読ませる本であるということですね。
読んでゆくうちに表紙の絵がなぜそれなのかの意味がわかってきたりと芸も細かいです。
そして前作と併せてもやっと普通の入門書一冊分の価格であることを考えると
お得感が非常に高い。
知識もアフタヌーンやジャンプで連載していた作者ならではの裏話も多く充実しています。
漫画界のお金の話ではどんな漫画を描きたいかによって選ぶ道筋の違いまで示しており
リアルな漫画家への道の指針となりそうです。
パースやコマ割りにおいては前作よりも著者自身が新しい技術に挑戦してゆく過程も語っており
学習する姿勢というものまで教えてくれているように思います。
体感時間については特に面白かったです。
YOKO KANNO SEATBELTS 来地球記念コレクションアルバム スペース バイオチャージ
「新旧のシングルカットされた菅野楽曲をオミットしてアルバムにしたらこうなりました」的なアルバム。
決してベストアルバムではありませんが、他の方も言っておられるように、入門編には持って来いです。
歌モノ、クラシカル、エレクトリック、ジャジーなど、多様に渡る彼女の楽曲の中からお気に入りを見つけ、
そしたら今度は本チャンのアルバムを手にして聴いてみてください、というコンセプトを感じます。
楽曲そのもののクオリティの高さに関しては、わざわざここで書き連ねる必要はないでしょう。
友だち幻想―人と人の“つながり”を考える (ちくまプリマー新書)
「いちねんせいになったら、ともだち100人できるかな」という歌に嘘臭さを感じたことのある人ならば、この本に深く共感するのではないかと思います。
なぜ、いまどきの友情、ひいては人間関係は息苦しいか、がこの本の主題です。
子供の親として、彼らの「オールオアナッシング」的な友情(友達ならこうして欲しい、してくれないなら友達じゃない)に前から不安を覚えていました。
この本は、いまどきの友情関係や、教師や親の考え方の、何が間違っているかを非常にわかりやすく解説しています。
「みんな仲良くは幻想」「誰でも負の感情を持っている」など、作者はけっこう直球ストレートに、厳しい言葉を使っていますが、その視線はあくまで優しく、暖かいです。
決して癒し系の本ではなく、記述内容は論理的で、学術的ですらあるのですが、読み終わって心がすっと軽くなります。
子供にも大人にも読んで欲しい本です。