炎の蜃気楼(ミラージュ) 邂逅編 真皓(ましろ)き残響 琵琶島姫 (コバルト文庫)
炎の蜃気楼邂逅編は位置づけとしては本編の番外編なのですが、上杉夜叉衆の長い旅路のスタートということで、
これは並列する本編のような感じでいつも読んでいます。
さて、はじめて本格的に上杉夜叉衆5人がそろい事件を解決していくこの巻。
なんだか懐かしいなぁ…と感慨にふけってしまいました。
舞台は戦国。容姿も話し方もまったく違うのに。
本編の初期に夜叉衆たちが一丸となって闘っていた頃の高揚感を思い出しました。
どんなに姿形が変わろうと5人の根本にあるところは変わってないんですよね。
情に厚く、酒好きな晴家。皮肉屋で自信たっぷりの長秀。本編ではあまり関わらなかったけれど、謙信公に忠実な勝長。そしてやっぱり直江は直江で、景虎は景虎です!
本編のラストスパートにかけて、夜叉衆はそれぞれのあり方で、バラバラになっていったけれど、それがわたしはすごく寂しかったんですよね…。そもそも勝長を含めて5人でひとつの事件を解決したのは初めてじゃないでしょうか(記憶違いだったらごめんなさい)。
だから、夜叉衆全員集合したのが、ドキドキして嬉しかった。
心から許しあっていないけれど、どこかで信頼感があるような微妙な距離。
緊張感がありながら、でもどこかほのぼのとした雰囲気がある。
本編の炎の蜃気楼がスタートしたばかりの頃を彷彿させてくれたこの巻は懐かしくもあり、久しぶりにバトルで胸が躍りました。
ワケアリ化粧師の正体はもしかして…なんて想像しながら、今後の夜叉衆の闘いっぷりに期待したいです!
暁の娘アリエラ〈下〉 (講談社X文庫―ホワイトハート)
この『暁の娘アリエラ』は上下完結ですが、主人公アリエラの親や兄弟などが主役になっている別シリーズ『女戦士エフェラ&ジリオラ』や『青い髪のシリーン』との関連もあるので、いきなりこの『暁の娘アリエラ』を読み始めると、世界観や人物関係がややこしくてイマイチ理解できない部分もある…かもしれません。別シリーズを読んでいると、いっそう楽しめると思います。
上下完結なのに、ラストはこれからアリエラが動き出す、というところで終わっているので、少し物足りない感じもしますが…登場人物が個性豊かで、私はそこだけでも結構楽しめました。(クライン公子とシリーンが好きですv)別シリーズでの続きが気になる、という感じです。
炎の蜃気楼(ミラージュ) 邂逅編 真皓(ましろ)き残響 奇命羅(きめら)変 (コバルト文庫)
妙な組織の不気味な敵。
景虎達はそんな敵の罠にはまり、それぞれが別の、
しかも油断ならない相手と戦う。
その敵は異様な力を持ちそして強く 皆ボロボロです。
更には味方同士の「あい討ち」もあり、苦戦をしてます。
ボスも意外な人物で、あらまっ・・・でした。
しかし・・・・・
確かに戦ってはいるのですが、
これまでの作品に比べると、勢いはちょっと不足ぎみか?
やはり夜叉衆のファンとしては、個人戦も結構ですが、
できればもっと、団結した戦いがみたい。と、思ってしまう・・・。
次巻に期待!です。
真皓き残響 仕返換生 炎の蜃気楼邂逅編 (炎の蜃気楼シリーズ) (コバルト文庫)
コバルトに掲載された短編3つ+描き下ろし中編(仕返換生後編)という構成です。
描きおろし中編が秀逸です。
どちらかというとキャラや出来事を描く方に重点が置かれていた再開・邂逅編ですが、これは違います。
人物を描く方にぐっと力点が移ってきたという風に感じました。
景虎様と直江、互いへの想いが輪郭をもちはじめてきた、という印象です。
萌うんぬんを別にしても、作者様が込めたメッセージや本編へのつながりを考えると、胸が締め付けられる思いです。
またミラが一層好きになりました。
まだまだ熱いです。
炎の蜃気楼(ミラージュ) 邂逅編 真皓き残響 十六夜鏡 (コバルト文庫)
心理描写も関係性の掘り下げもアクションも、この作者様にしては中途半端というか…いつものディープさや激しさがなくて、食い足りない感じがしてしまいます。仕掛けの種明かしも、ちょっと短絡的に思えました。再開邂逅編は再開前に比べてノリが軽いのはもとより承知の上なのですが…。これからの怒濤の展開と熱い盛り上がりに期待して☆3つです。