山猫の夏 【新装版】 (講談社文庫)
「〜だと思われる」「〜かもしれない」「〜と考える事ができる」・・・世の中はこのような末尾で終わる文体がなんと多いことか・・・。「一般論として」っていうのもあるなぁ。
そんな文章を読んで、そして書いてきた自分にとって、この小説の主人公・「山猫」が発する、全て断定した物言いに先ず唖然となる。
狂言回しの役割を担う「おれ」も、引きまくりで笑える。それが読み手である、気弱な自分を含む男性諸氏の心臓を鷲づかみにするのだ。
誰でも自論を、我を通したいと思う事はある。それを通す為に、その自論の正当性や論理性を強調し周囲に説明、協調を即すワケだが、我らが山猫はそんなメンド臭い事はしない。
「俺が決めたのだからお前は俺に従っていればいい」
これは言う方も言われる方も気持ちがいいか強い反発を覚えるかどちらかになる。この小説を読んで前者だった人は船戸ファン、それも強烈な読者になること請け合い。ではレビューワーの自分も山猫風に一言。
「頭が悪いくせにすぐ格好をつけたがるタイプなんだよ!このレビュー読んでるお前らは!考えるな。お前らは、この小説をただ読みさえすればそれでいい。」
・・・あぁっ!そこのブルーザ系のセニョール&メニーナ!顎なんてさすらないでェェ!
猛き箱舟(下) (集英社文庫)
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ミャンマーの柳生一族 (集英社文庫)
早大探検部の先輩作家、船戸与一と取材旅行に行ったミャンマー。「ジャーナリスト・ビザ」で旅行する船戸与一に目を光らすちょっと間抜けな政府情報機関の連中と天然ボケ炸裂の船戸御大らが繰り広げる珍道中をミャンマー近現代史や裏社会事情を交えて描いた紀行小説。
紋切型の報道で内情がいまいちわからんちのミャンマー軍事政権の内情を「徳川幕藩体制」になぞらえて説明してるのですが、これが大変わかりやすく、ユーモアのなかに鋭い洞察が光らせて、「鎖国」ミャンマーの滑稽とともに、逆説的な美徳と可能性をも紹介している。
「鎖国を続けているミャンマー人が見事に国際人センスを身につけているのはなぜか?」といった考察には目からうろこが落ちました。著者は仏教についてはあまり関心ないみたいだけど、テーラワーダ仏教圏の社会分析という意味では、仏教好きも必読でしょうね。高野秀行さん、他の本も読んでみたくなった。
猛き箱舟(上) (集英社文庫)
船戸与一の作品はどれも面白い。中でも私が興奮して読んだのがこの「猛き箱舟」である。冒頭、いきなり緊迫したシーンに始まり、徐々に過去が語られていく。舞台は日本からアフリカへ、そしてまた日本へと、男が成長していくさまが描かれる。最後は男の執念の凄まじさに身が震える思いであった。 まだ読んでない人、絶対のオススメ本です。
蝦夷地別件 中 (小学館文庫)
登場人物がアイヌ人・ロシア人・松前藩士・ポーランド人・江戸の素浪人・若い坊さんなど多岐にわたっていて
2800枚の内容でも飽きさせない。裏切りや悲しみや陰謀や復讐など実に克明に描かれていて
何故もっと早く作者が直木賞や芥川賞が取れなかったのか、悔やまれる。
砂のクロニクルを読んだ後だけに別の色合いも感じさせる名作だと思う
砂のクロニクル〈上〉 (新潮文庫)砂のクロニクル〈下〉 (新潮文庫)。