あなたに贈る物語 (講談社青い鳥文庫)
令丈先生と石崎先生の夢のコラボ?
何人かの先生方が書いた短編集はあったけど、これはお二人がメール(基本的に奇数章を石崎先生で、偶数章が令丈先生が書いたそうです… これはサイン会で仕入れたネタです!)をやり取りしてひとつのお話を作りあげたそうです。
楽しいストーリーですいすい読めちゃった!おもしろかったよ〜
ほかにも青い鳥文庫大好きな人には、たまらない人気の先生方の短編が… 朝の読書タイムにちょうど良いと思いますよ。
たけくらべ 現代語訳・樋口一葉 (河出文庫)
「たけくらべ」「やみ夜」「十三夜」「わかれ道」「うもれ木」の現代語訳版が収められています。「樋口一葉の作品は読みづらい」「途中で投げ出してしまった」などという人も多かったので、現代語で出されたのは良いことだと思う。「たけくらべ」のみ文体は全く変えずに現代語訳してあるので(訳者の作品に対する思い入れが強いためらしいが)、そこは賛否両論あるかもしれない。樋口一葉を読みたいと思っている人はまずこの現代語訳版を読んでから原文に当たることをお薦めしたい。日本を代表する作家です。
にごりえ・たけくらべ (新潮文庫)
作品の内容が素晴らしいことは言うまでもありません(笑)。
一葉の作品に触れるにあたって、手軽さでいえばさすがにこの岩波文庫版に勝るものはないでしょう。安いし、『にごりえ』『たけくらべ』はたぶん一葉の作品のなかで最もよく読まれている作品(私も大好きです)で、この2本だけ収録しているのは最初に読む一冊としてふさわしいと思います。
個人的には、初めて読まれた方には、この次に『大つごもり・十三夜 他5篇』に進んで「十三夜」をぜひ読んでほしいと思います。
ただ、他の作品集も買っている身からすると、岩波文庫版は注釈が巻末なので読みづらい面はあります。たとえば筑摩書房の『明治の文学』シリーズの樋口一葉の巻なら、脚注方式(かつ絵入り)なのでページを行ったり来たりする必要がなく、とても読みやすいです。一葉の文章は、高校とかで習ういわゆる「古文」ほど難しくはないですが、現代の生活を送っていたら全く出てこないような単語がけっこう出てきます(笑)。ものすごく教養がある人は別でしょうが、なれるまでは何かしら参照しながらでないときちんとは読めませんので、こういう注釈の使い勝手はけっこう重要です。
古文から遠ざかっている場合は、「助詞」「助動詞」ぐらいは頭に入れてから読まれた方が良いかと思います(名詞は事前に覚えきるのは無理なので注釈をみればいい)。同じ明治の文章でも、幸田露伴とか森鴎外が書くような漢文調の文章ではなくて「やまとことば」なので、たいていの人は「久しぶりに古文を読んだ」感をすごく覚えると思います(笑)
とはいえ、絶対に、「現代語訳」なんかよりは注釈や辞書を引きながらでも原文を読むべきだと思います。一葉の文章は本当に美しい日本語です。作品自体はとても短いものなので、大した苦労ではないはずです。
Jブンガク マンガで読む 英語で味わう 日本の名作12編
マンガと英語で近代文学を覗いてみる本。
明治から昭和初期の12作品が紹介されています。各作品には18ページずつ割かれていて、その18ページが更にいくつかの小部屋に分かれているので、どこからでも読めます。まるであらかじめつまみ食いされる事を想定しているかのよう。気軽に読める本ですね。
マンガと日本語と英語で粗筋が紹介された後、『キャンベル先生のつぶやき』という部屋では原文と英訳文が示されます。日本文学の専門家であるキャンベル先生が、英訳に際して感じたことなども書かれていて、敷居の低い本書の端倪すべからざる一面が垣間見えます。
文学の紹介本としてはかなり異色の一冊かもしれませんが、読み易いです。