チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル Vol.1
一昨年映画監督の瀬川昌治さんの講演を聞いた。それは興味深いもので瀬川監督はいいとこのお坊ちゃん(競馬場のダフ屋みたいな風貌だが)で学習院、東大(文学部)と三島由紀夫の1年後輩で親しかったそうだ。意外にも三島はちゃんばら映画が好き。偉くなってからも東宝の「美女と液体人間」という怪しいSF映画も大好き。俗な一面もあったのだ。監督の兄貴の瀬川昌久はジャズ評論家でこのお兄さんは昔から知っていた、読者で。やはり学習院、東大で三島の親友で家族ぐるみのお付き合い。これはしらなんだ。三島は音楽と言うと何を聞いていたんだろ?なんかワーグナーとかリヒャルトシュトラウスかな。右翼っぽい。よく知らない。ジャズとは考えられないけど。この昌久は銀行員でNYに駐在。1950年代初めに外国に行くのは観光なぞない。外交官かビジネスマン。そもそも占領されていた。アメリカに。バードランドでパーカーを生で聞いてる。多分日本人で唯一人。1953年だったかな?死んでるから。マイクがいらないほどでかい音していたそうだ。ラッキーな人だな。東大出は違うよ。俺は五反田の簡保ホールでスザンヌ・ベガのパンティを見たぞ。ベルリンでは1メートルの距離から(バックステージで)スプリングスティーンを見たら大将なんで日本人がいるんだ?怪訝な顔してた。俺言葉が出なかった。人生、いろんなことがある。
CJ120 チャーリーパーカー
「一般に出回っている譜面の多くに間違った音符やコードがあるので、
セッションなどで演奏した場合(打ち合わせなく、いわゆるメモリースタイルで)
フレーズやコードが合わなかったりする問題があります。」(本書より)
と書かれているだけあって
本人の演奏がとても注意深く採譜されていると思う。
コピー譜のほかに
「パーカー風アドリブについて」
「アドリブ ワンポイント・アドヴァイス」
「リハーモナイズの実践」
もあり、こちらの内容もとても参考になる。
しかし「In Cなのでピアノやギターにも使える」(本書より)や
「アドリブ・フレーズの解説などの部分は、色々なキーに応用できるように、
アルト・サックスのキー=EbではなくKey in Cとさせて頂きました。」(本書より)
の表現は、(移調楽器のための)記譜法としての“キー”と
実際に演奏される“キー(コンサート・キー)”を混同した表現で残念だ。
「コピー譜は本人が演奏したキーを"In Eb"で記譜、
アドリブ・フレーズの解説などの部分は、
本人が演奏したキーを"C"に移調して(かつ"In C"で)記譜。」
が正確な表現と思う。
アルト・サックス以外にも使いやすくという趣旨であれば
むしろコピー譜もアドリブ・フレーズ解説も原曲のキーのまま
(in Cで)記譜に統一した方がわかりやすいと思う。