ソルジャー・ストーリー [DVD]
監督の説明に有るように、デンゼルワシントンも当時無名、その他俳優も無名とのこと、しかし何処かで見た俳優とめぐり合える。
確かに、聞いたことの無い名前の俳優達であるが、皆、演技が極めてしっかりしており監督の説明で謎が解けた、舞台俳優たちとのこと。
今から、20数年前に始めて見たが、ストーリーには感動を覚えていた。
米国に黒人大統領が誕生した今見ると、再度この映画の、人種差別問題に対する分析・洞察力には敬服する。
また、現在、DVDで見ることが出来るとは嬉しい限りである。
単なる、人種問題を表面的に捉えた、逆差別ものでなく、差別される側の内部の葛藤に重点が置かれ、白人側、軍上層部とのからみを少々味付けしている。
差別とは心の問題であるが、良く表現している。
謎解きも、そこらへんのサスペンス以上である。
権威のある黒人の法務大尉が事件を紐解いていくパターンは、夜の大捜査線、TVドラマ警察署長のパターンに類似している。本作の出来は、それ以上かもしれない。
何故、衛兵勤務と使用武器、弾道検査による物証が先にないかと思ったら、調査期間の短さ、45口径弾の補給欠乏及び人種問題に関する上層部の消極的隠蔽と理解することで、矛盾は解けた。
逆に物証から、調査されるのではないため夫々の俳優のキャラクターが生きてくる。
音楽もよし、軍隊の基地の様子もよし、いやみの無い、見終わって或る意味すがすがしい印象も残るもので、私の重要なコレクションの一つである。単なるドンパチの軍隊ものではない。軍隊を舞台にした社会問題作である。従って、戦争ものを毛嫌いする人々や、戦争ものを好む人々には想定外の作品であろう。
差別問題の普遍性もよく表現できていると思った。
このジャケットが、必ずしもストーリーを魅力化させていないような気がする、ジャケットのデザイン変更を希望する。
JM [DVD]
この映画は当時かなり期待して鑑賞したことを思い出す。題材や世界観がブレードランナーっぽいこともあり、たいそうハードボイルドな雰囲気なんだろうと思っていた。鑑賞後、それはただの思い込みであることがわかった。
プロレスのようなゆったりとしたアクションシーン、容量オーバーなのにデータを全て脳にダウンロードできたジョニー、頭さえ無事なら殺しても構わないといいながら拳銃を撃たないでホールドアップさせることに固執する嘉門たつおみたいな顔のシンジ、動くな!!とかいわれているのに速攻で反撃に転じるジョニー達、たけしに日本刀で斬られてのんびり死んでいくシンジの子分達、そしてシンジの子分の刺青を見たたけしの「こんな漢字があるかよ、バカヤロウ」。
上記の要素により、私の中ではシュワルツェネッガーの「コマンドー」と並んでオールタイムベストに挙がる。年に一度は鑑賞することにしている。鑑賞中は笑顔である。
Night at the Village Vanguard
興に乗り、想念のおもむくまま。
共演者の発する音、リズム、情念に耳をそばだて、それに触発され新しい音、フレーズを構築してみせる。それを受けた共演者たちもさらに音を、リズムを変化させ、発展させる。
「予定調和」の極北にある、最高のジャズの持つ、何者にも代え難いスリル。
だからジャズはやめられない。
Way Out West
僕はジャケットがよくてこのアルバムを買いました
カウボーイの格好をしたソニーロリンズがなんか格好よくて
内容的には名盤といわれるだけあって
曲も楽しいし
サックスもいい感じ
ただ、こういうトリオ編成だと
やっぱり音が薄いというか
物足りなさを感じてしまうのは僕だけだろうか
まぁそれが味っていう人もいるだろうけど
僕としては
別のアルバム「サキソフォン・コロッサス」の方が
数倍よかった
Saxophone Colossus (Reis)
Sonny Rollins 『Saxophone Colossus』
1. St. Thomas
2. You Don't Know What Love Is
3. Strode Rode
4. Moritat
5. Blue 7
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モダン・ジャズを語る上で絶対に外せないアルバムだと思う。
ソニー・ロリンズの最高傑作は間違いなくこのアルバムだろう。
(それでもロリンズ自信はまだまだ自分の演奏に満足はしていなかったみたいだが。)
カリブ海に浮かぶ島をイメージしたカリプソ・ナンバーの#1は、まさにモダン・テナーの巨人ソニー・ロリンズを代表する名曲である♪
今ではスタンダード化したナンバーでもある。
"Cメジャー・スケール"だけでできたとてもシンプルな曲♪
続く#2は、ロリンズのムード満点のサックスが聴けるバラード♪
まさに"ジャズ=都会の夜の音楽"を表しているかのような曲である。
ちなみにマイルス・デイヴィスのver.もジョン・コルトレーンのver.も素晴らしい♪
#3は、地元のジャズ・クラブ、ストロード・ラウンドに因んで付けられた曲で、スタッカート奏法を駆使したテーマがかっこいいハード・バップ・ナンバーである♪
そして#1とともにロリンズを代表する曲である#4もまた素晴らしい名演である♪
元はクルト・ワイル作曲の「三文オペラ」劇中歌で、「モリタート」とは「罪状記」のこと。
そして最後はブルース・ナンバーで締めくくる完璧な5曲が入った完璧なアルバムである♪
「男性的なテナー・サックスを聴きたければソニー・ロリンズを聴けばいい。」とは、ブルー・ノート・レーベルの創始者アルフレッド・ライオンの言葉ですが、まさにそんなロリンズの魅力を味わうには十分な歴史的名盤である♪