大奥 第4巻 (ジェッツコミックス)
男女の数不均等から生まれる、逆転の物語は、それこそ、「侍女の物語」はじめとして、古今の文学、SFに描かれているが、その中でもこの作品は秀逸。
大奥というハーレムを男女に置き換えるというアイディアが抜群だっただけに、連載を重ねていくと、息切れするかと思いきや、待望の4巻では「もしも、男の人口が少なくなったら」の世界が性や文化、生活全般にどういうことになっていくのかを様々なエピソードとデリケートな筆致で描いていく。
特に将軍(女)が気晴らしに、家臣(ナイスミドル)に手を付けて、通うようなってしまい、家臣家か破滅してしまうくだりなどは、家臣の妻(幕府の要職)や加えてお手つきにされる息子などの描写も含め説得力抜群。
「男が働かなくても、貴重品」という位置に男性が留め置かれ、結局、労働を含め女性の負担がさらに増大するというパースペクティブは、今の女性の状況を見るに、ものすごくリアリティーがありました。