バンプレスト公式攻略本 るろうに剣心‐明治剣客浪漫譚‐炎上!京都輪廻 流浪人剣戟心得之書 (Vジャンプブックス)
書籍の状態がとてもGood!! きれいにクリーニングされていて、新品同様。 中古だからとあきらめてしまう、独特のにおいもなく、気持ちよく使用できました。
ベストセラー炎上
内田樹氏の『街場のメディア論』がやり玉に挙がっていて、ぼくは相当感心して読んだのだが、どこが批判の対象になっているのか気になって手に取ってみた。
取り上げられているベストセラーと批判はとおり。
■断る力,勝間和代
「この世に生きていることの疑問とか、勉強することの疑問とか、努力することについての疑問とかが何にもない」佐高,p32
→思考が浅すぎて、ともに語るに足る思想がない、といった感じ。
■1Q84,村上春樹
「科学者どもは対象を分析してしまって断面しか見ないけれども、小説家であるならば、自分の経験や直感や創造といった総合力を駆使して対象を全体としてとらえようとしてくれなければ、読んでいてつまらない」西部,p79
→プロの作家として書くべきことを書いていない、という批判。
■街場のメディア論,内田樹
「期待して読んだわりには、ものすごく薄味」佐高,p98
→内容にはうなずける点が多いが、もっと突っ込んで欲しかった、というないものねだりな感じ。
■「改革」はどこへ行った?,竹中平蔵
「竹中平蔵よ、参院選で応援されたものとして木村剛に差し入れぐらい行け」佐高,p148
→他にも住民票を頻繁に外国に移して住民税を逃れたりなど、本の内容への批判もさることながら、竹中氏の人格への批判が主。
■日本人へ リーダー篇,塩野七生
「知らないことは知らないと書かないといけないですよ」佐高,p170
「かくもつまらない書物にぼくはめったに出会ったことがない」西部,p159
→全体的に思索が雑、という批判。
■生き方,稲盛和夫
「自分で自分に勲章をあげるように成功体験を語るとは、お粗末限りない」佐高,p228
「八十歳にもうすぐ手が届く人ですよ。人間などというのは、神仏じゃない限り、どれだけ完成からほど遠いか、少しは素直に述懐してくださいよ」西部,p201
→間違っているわけじゃないが、おじいちゃんが孫にするお説教のレベルを越えていないという批判。
さて、ぼくは内田樹氏の『街場のメディア論』以外は読んでいないので、当たっているかどうかはわからない。しかし、批判するという行為について、ずいぶんと考えさせられるものがあった。
「クリティーク(批判)とは他者を誹謗したり中傷したりすることではありません。批判とは、自己および他者の表現を可能にしている想念、思想、観念そして概念といった様々な心のはたらきのクライテリオン(規準)を批評し、さらにそれらのはたらきが無効となるクリティカルライン(臨界線)がどこに引かれるかを判定することだと言えましょう」西部邁,p229
つまり、お前の考えが通用するのはここまでだ!と引導を渡すことが批判の真髄なのだ、と。逆にいえば、批判は、自分の限界をさらけ出す行為、ともいえる。「この本に書いてあることが、この人が言っていることがどこまで通用するのか」という視点は、すなわち、自分の見てきたこと、考えてきたこととの差異を明らかにすることに他ならない。批判とは、どちらの世界観がより深いか、ということを論証する行為なのである、と。
こんな軽いレビューを書くにしても、そこは絶対に忘れてはいけない。批判することによって自己の限界を自らに知らしめること。つぎにはその限界を広げ、より深くより広く世界を理解すること。それこそが批判の意味なのだと理解した。ぼくはわりとすなおに人のいうことにカンドーしてしまうたちなので、もう少し批判的態度を意識して読書にもレビューにも臨みたいと思う。