[同人PCソフト]ダブルスポイラー ~ 東方文花帖
東方STGの第12.5弾です。外伝的な位置づけとなっており、操作方法や雰囲気が若干異なります。
今作ではサコ敵が出現し、アイテム回収したりする「道中」が存在せず、ひたすらボス戦をこなしていきます。
そのボス戦でもショットやボムの概念は存在せず、溜め撃ちが可能になるまで回避→溜め撃ちを数回当てて勝利、といった感じです。
ざっとやってみた感じですが、ひたすらボス戦で避けに徹する→溜め撃ちの繰り返しなので、
単調で、道中も含めた攻略を考える楽しさや、STGとしての爽快感があまり感じられませんでした。
あと、東方といえばBGMに定評のある作品ですが、曲数も本編に比べると大分少ないです。
厳しい意見を書いてしまいましたが、ボスラッシュのミニゲームとして考えれば値段分は充分遊べると思います。
でも東方シリーズを初プレイする人にはあまりお薦めできません。
東方儚月抄 ‾Silent Sinner in Blue. 上巻 (IDコミックス REXコミックス)
一つだけ確かな事があります。
この作品は最近「東方」に興味を持った人には勧められません。
決して初見さんに配慮されてる作品ではありません。
逆に言えば「東方」に何を求めるかで変わって来るでしょう。
まず設定資料集の「東方求聞史紀」がオススメです。「東方文花帖」もですね。
そして東方の根源を成す「スペルカード」について解説されている「The Grimoire of Marisa」です。
ほのぼの萌え漫画なら他社製品ですが「東方三月精」がよろしいかと。
その中でスペルカードが持つ「面白さ」に共感出来る人でなければ難しいでしょう。
何故ならば「東方儚月抄」のテーマの一つに、スペルカードがあるから。
この作品に限らず、「東方」という作品はスペルカードの持つ面白さの上に立っている。
その面白さを凄いと認められない人は、この作品を見ても「ぎゃふん」と言わされるだけです。
この漫画に少年バトル漫画を期待してはいけません。
何故ならこの漫画は少女スペルカード漫画だから「ぎゃふん」と言わされるだけです。
この漫画に「幻想郷」を日常的に殺戮が行われるダーク(穢い)場所と描かれる事も期待してはいけません。
何故ならこの漫画は幻想郷を日常的に殺戮が行われる場所として見下す儚い月の民が、スペルカードに救われることなく最後に「ぎゃふん」と言わされる話だからです。
「東方儚月抄」にはテーマ性とZUN氏の放つ作家性しかありません。
後は秋☆枝氏の描く可愛らしいキャラクターだけです。
決して万人向けの作品ではありません。
「求聞史紀」などを見て、ZUN氏が描く幻想郷の「面白さ」を求める人ならば恐らく楽しめるかもしれません。
ZUN氏は「他人の価値観を受け入れると言う事は、他人の価値観を認めないという考え方も受け入れると言う事。それはそれは残酷な話ですわ」と語った事があります。
「東方儚月抄」も、「幻想郷より戦闘力が優れていればそれで満足」という考え方すらも幻想郷が受け入れる話です。
それはそれは残酷な事なのかもしれません。
この1巻は神様を燃料とした月旅行の為のロケットを作る話です。
幻想的な話です。そこに意味を感じられるかでしょう。
要するにレミリアがやりたいのは「自分が生まれる前に起こった戦争を体験する」事でしかないのですから。
結果など分かりきってるつもりなのでしょう。要は過程や方法を楽しむ話です。
それは、きっと楽しもうと思えば楽しめるのでしょう。
少なくとも私は楽しかった記憶があります。
最後に「The Grimoire of Marisa」から霧雨魔理沙のコメントをいくつか引用しておきます。
「まず、スペルカードとは何なのかを説明する。スペルカードとは殺し合いを遊びに変えるルールで、要は適度に手加減しあって技を見せ合う物だ。」
「スペルカード戦で負けても気持ち良ければ勝ちだ。遊びなんだからな。」
「スペルカードが肌に合わないんだろうか、月の都会人には。」
東方求聞史紀 ‾Perfect Memento in Strict Sense.
東方Projectについての知識はジャンルがSTGであることと、一部の有名なキャラクター(霊夢、魔里沙等)を見た事がある程度だった初心者の意見です。
率直に言いますが、非常に楽しめました。ゲームをプレイした事がある人ならニヤニヤ出来る箇所もあると思います。
内容はキャラクター(一部らしいです)と舞台となる幻想卿の紹介が主でした。挿絵はあるとはいえ文字ばかりなので、少々読みにくいかとも思ったのですが、欄外にあるツッコミに笑わせられたこともあり、非常に楽しく読めました。
「興味はあるけど……」という方にもお薦めできる一冊だと思います。
東方文花帖 ~ Bohemian Archive in Japanese Red
同人ゲームである「東方」シリーズのファンブックです。
ファンブックではありますがアンソロジーコミックの類とは違い、頁数の半分は活字による読み物なので読み応えがあります。
とはいえ、随所に美麗な挿絵が挿入されているので、読むのが苦痛になることはないでしょう。
本書では、オリジナルキャラとなる伝統の幻想ブン屋 射命丸 文(しゃめいまる あや)が活躍(?)する漫画に始まり、
この文が書く記事、そしてインタビュー、という形で東方紅魔郷以降の全キャラクターが描かれていきます。
文章は全てZUN氏本人によって書かれているので、違和感を感じること無く、キャラクターの新たな一面を垣間見ることができます。
また、東方を語る際に外せない音楽についてもコラムが豊富に設けられており、楽しめました。
巻末のインタビューでZUN氏は、ゲームを作る際に「世界観」をとても大事にしている、と語っていました。
自分はそこにとても共感し、そして、とても嬉しく思いました。
自分は東方のキャラもストーリーも演出も音楽も弾幕もSTGも全部好きですが、
本当に好きなのは、それらが絡み合って生み出された東方の「世界観」でしたから。
『すでに東方を知っている人が更に深く楽しめるようなものを作りたい』
ZUN氏がそう考えて、この世に生を受けたこの本。
東方が好きな貴方にこそ是非、読んでみてもらいたいと思います。
[同人PCソフト]東方文花帖 ~ Shoot the Bullet.
毎度おなじみ弾幕シューティングゲームですが今回は一風変わって弾幕を“撮る”のが目的です。
主人公は幻想郷最速の射命丸文となり規定数枚の弾幕の写真を撮ればミッションクリアとなります。
撮った分の弾幕は消すことができることができます。
シーン毎で区切られてあり、1シーンは長くても数分で終わります。
今作はあくまで外伝的な立場ではありますがこの難易度はかなり高いと思います。
レベルが進むにつれ技術的な面だけでなく運の要素も必要になってきます。
ですが段階的に進めばそれなりにテクニックも身についてくるでしょう。
あと曲数自体は少ないんですがBGMはどれも秀逸です。