ブラボーミュージック Christmas Edition
私が初めてこのゲームを手にしたのはほんの偶然だった。電気屋でワゴンセールされていたこのゲーム。
家に帰ってやってみておどろいた。本当に指揮者になれるのだ。はじめのうちはリズムが取りにくく何度もやり直したが、それだけに、成功した時の感動はまたひとしおだ。
音楽は生ものだ。いくらゲームとはいえ、指揮をするたびに、その音楽は新しい表情を持って現れる。
自らの指揮で、曲それぞれの新たな一面を引き出すことのできるブラボーミュージック。まさに『ブラボー』なゲームだ。
ソナチネアルバム(1) 解説付 zen‐on piano library (全音ピアノライブラリー)
クラシックを学ぶ上では、みんな開いていく本ですよね。
自分が全音の本でやってきたので、子ども達にもこれにしています。
ベートーヴェンの生涯 (平凡社新書)
おそらく、日本人の書いたベートーヴェンに関する著作としては、最高レベルのものだろう。著者は、ヨーロッパへの訪問を繰り返し、50年に渡りベートーヴェンを研究してきた第一人者。1959年に世界で初めて、「不滅の恋人」をトーニア・ブレンターノと特定し、本家ドイツでも翻訳本が出ているとのことだ。
本場の様々な資料や研究結果を詳細に調査してまとめている点がすばらしい。クラシック音楽ファンの一人として、いまさらベートーヴェンの本というのもちょっとあったのだが、今までのベートーヴェンに対する認識を変えさせる記述が多くあり、有意義な内容で、なおかつ大変興味深く読めた。
飲んだくれの父の元でのボンでの生活の苦労は知られているが、同時に非常に多くのことをこの地で身につけていたこと。ハイドンの弟子になりながらも対位法などは別の先生を探して習ったり、有名になってからもバッハの楽譜を写したり、ヘンデルの楽譜集を贈られて感激したりと、後年までかなり勉強熱心だったことも伺える。
ベートーヴェンが生きた時代背景をよく把握した上で書かれていることも本書の特徴といえる。ナポレオンが開いた新しい時代の扉、そのフランス軍が攻めてきたことによって味わう年金の価値暴落などの苦境、ウイーン会議期間中に「フィデリオ」が少なくとも20回上演されてそれがベートーヴェンの名前を高める舞台にもなったこと。
様々な支援者、ゲーテ、一部の有識者たちの反発と若者層を中心とした熱狂的な支持、いろいろな女性との関係についても様々な証拠に基づいて丁寧に紹介している。等身大のベートーヴェンのみならず、この偉大な芸術家が生きていた時代も見えてくる一冊である。
Piano Sonatas 1-32
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を聞くと、超人のような天才の存在を感じています。この全集はケンプが70歳ごろに録音したもので、さすがに完全に塾成された精神を聞こえます。70歳になっても最上の演奏を発揮できるのは本当に素晴らしく、羨ましいことです。ケンプの演奏リズムは指からではなく、脳内あるいは心境から出ています。これは「ピアニストの響きではなく、人間の響きが聞こえてくる」と言われた理由かもしれません。ペタルをやや多く使いましたが、ケンプ右手の特有な美しい音色と相まって、とても自然に響き、いくら聞いても疲れません。また、この全集は1964,65年ごろの録音ですが、その音質は十分良いですので、マイナスの点が全くありません。正に名作の名演です。