ふしぎなメルモ (手塚治虫文庫全集)
『ふしぎなメルモ』はTVアニメで知っていましたが、初めてコミックを読むことができました。
感激です。不思議な感慨を覚えました。
アニメ版とは趣が少し異なりますね。
巻末に手塚プロの資料室長の森さんが解説をつけておられるのですが、アニメは、虫プロ倒産後暫くアニメ製作をやめていた手塚先生が久方ぶりに作った復活第一号にあたるのだそうです。
原題は『ママァちゃん』で、小学一年生に連載されていました。
この本を読むと確かに小学生向きに描かれていたのが判ります。
それを手塚先生は、アニメ化にあわせて『メルモ』に変更。原作もそれにあわせて変えたのだそうです。
手塚先生は、当時大人向けの『きりひと賛歌』や『奇子』をビッグコミックに連載する傍ら、幼児向きの作品もとても大事にしていたのだそうです。
さらにアニメ化では、はっきりと性教育まんがと宣言しました。
手塚先生の凄いところは勿論作品の深みにもありますが、幅の広さにもありますね。
手塚ワールドという広大な宇宙の創造主、に思えます。
他に『海のトリトン』(テレビマガジン、たのしい幼稚園掲載版)、『ワンサくん』(てづかマガジン れお連載)が収められています。
特に『ワンサくん』は未完なのですが、ユニークな作品ですね。
ワンサくんは、野良の子犬です。10円玉を探し出す特技があります。夜中にうなされるため、人間に飼われてもすぐに捨てられてしまいます。
やがて野犬収容所に他の野良犬たちと一緒に捕まりますが、仲間と共に脱出を図ります。これが映画『大脱走』を思わせるのです。
かなり傾斜のある主人公が珍しく感じられました。
続きが気になる作品です。
メルモちゃん 1 (リュウコミックス)
「手塚治虫&ふくやまけいこ」!と聞いて「ふくやまジックヴック」のパロディ漫画
に出てくる「治虫人(むちゅうじん)」を思い出したオールドファンです。
タイトルからてっきり少女漫画誌での連載かと思ったんですが、「COMICリュウ」
で始まったのですね。本誌はすっかりご無沙汰だったんで、知りませんでした。
掲載誌のせいか、「ほのぼの」しつつも、内容は驚くほどマニアックです。
ですので、手塚漫画をある程度読んでないと、配役でニヤリとできません。
「トビオ」がアトム誕生のきっかけになった天馬博士の息子、くらいの予備知識は
あった方が楽しめます。手塚本人が開拓した、ストーリー漫画におけるスター・
システムよろしく、おなじみのキャラクターがたくさん出てきます。
本書のあとがきでもさらっと紹介されてますが、「ヤケッパチとマリア」の元ネタ
「やけっぱちのマリア」は「メルモ」直前に発表され、講談社「手塚治虫漫画全集」
の作者本人あとがきで「キワモノ」、「駄作」と切り捨てられている、ちょっとかわい
そうな作品です。
本書のエピソードはふくやま流に「ほのぼの」ですが、登場人物や「生ごみ」を
内包する少女など、いたるところに元ネタのエッセンスが組み込まれ、ちょっと
切ない(?)新解釈でまとめられています。
オリジナルの「やけっぱちのマリア」に関しては、当時の時代背景
〜「ハレンチ学園」など、それまでの少年漫画のタブーを大胆に破った作品が注目され、
手塚自身がそうした世間の風潮に落胆、葛藤していた〜
を、充分理解したうえで読まないと、単に支離滅裂で、人によっては苦痛を感じるような
すごい内容ですので、本書で興味を持たれた方は、その点だけご注意を。
最後に、この漫画からペンネームを「福山けいこ」に変えたそうですが、古いファン
としては、やっぱり「ふくやまけいこ」と書かないとしっくりこないですw
ふしぎなメルモ (手塚治虫漫画全集 (280))
アニメ版の、やや重たい雰囲気とは打って変わって、
漫画版ではふしぎなキャンディでメルモが騒動を巻き起こす。
特に、アニメ版では製作の都合上、メルモの衣装がほとんど青地に薔薇であったが、
この本では婦警姿のメルモなんかも出てきて、非常に(・∀・)イイ!!
ほんわかHな雰囲気はそのまま。御一読を。
アニメソング史(ヒストリー)I
「欲しい曲もある・・・」
これがこのアルバムシリーズの収録曲を見た最初の正直な感想です
1、2、3のシリーズすべて基本的に古いアニメソングばかりです
平成のアニメはもちろん、例えばドラゴンボールやエヴァンゲリオンなど90年代のアニメも入っていません
また、レーベルの問題なのかサンライズ系アニメは一切ありません(サンライズの前身「創映社」時代は除く)・・・これは痛い!
若い人には聴いた事もない無い、作品の名前だけは知っている、という曲も多いでしょう
逆に誰でも知っているであろうハイジなども入っていますので初物ばっかりという事も無いと思います
しかし、これがある意味このアルバムの欠点でもあります
購入層のターゲットを絞り込めていないように感じます
コアなファン向けなのかビギナー向け(強いて言えばこちらでしょう)なのか・・・
ロボットアニメ、名作アニメ、スポコン物、ギャグ系等幅広く(結構マニアックな曲もあったりする)選曲されていますが、どれも物足りない
といって、満足できる選曲をしようとすれば2枚組みの3セットではとても足りないでしょう
こういうオムニバスアルバムがほとんど無かった頃なら良いんですが、これなら「テレビまんが主題歌の歩み」シリーズのほうを選んでしまいます
また、こういったアルバムを何枚も購入しているコアなファンだと半分くらいはかぶってしまうんじゃないでしょうか?
良い点としては基本的にオープニング、エンディング共に入っている事かな
たまたま持ってない作品の曲ばっかりだ、という人には素晴らしいセットです
総評として、コアなファンならフルセット買うのはためらわれるものですが、初めてアニメソングのオムニバスCDを購入する、という人には決して悪くはないと思います
続テレビまんが主題歌のあゆみ
アニメ主題歌のオムニバスCDは非常に多く、どれを買おうかと悩む方が多いのではないかと思いますが、昭和40年前後生まれの方には断然コレがお薦めです!男子ならマジンガーZに宇宙戦艦ヤマトにバビル2世・・・女子なら魔女っ子メグちゃん、キューティーハニーなどカラオケで人気の高い曲はたいてい収録されており、いまだに人気が衰えることのない名作(ハイジ、ルパン、オバQ、バカボンetc)のOPテーマもバッチリ収録されています。あと特筆すべきは、知る人ぞ知る「旧ドラえもん」の歌が入っている事です。私の周りの人の多くはこの歌を知らないのですが、私のように「覚えてる、歌える!」という方が結構いらっしゃるはず。また、大山のぶ代さんの声ではないドラえもんがあったなんて知らないと、いう方にも新鮮な驚きかもしれません。オールカラーの歌詞ブックも嬉しいです。ただ、哀愁を帯びた名曲の多い「終わりの歌」が大好きな方は、収録曲が対になっている「続・テレビまんが懐かしのB面コレクション」とセットでおそろえになると大満足間違い無しと思われます♪