原発と祈り 価値観再生道場
作家の橋口いくよ女史が聞き手・書き手となり、思想家・武道家の内田樹氏と精神科医の名越康文氏の対談を収録した一冊。(ただ、橋口女史も結構議論に参加するため、鼎談と言った方が適当な気がします。)
タイトルにある通り、最初は原発問題をテーマとしてスタートしますが、次第に論点は震災前後の人々の価値観の変化や、これからの日本人の在り方・心構えについてへとシフトします。
紋切り型の原発論に終始せず、ちょっと特殊な視点からの議論となったのは、元々内田氏と名越氏が、昨今の日本人の価値観をテーマに対談を行う企画だったからでしょうか。
原発問題だけを考えたい方は、他の本をどうぞ。この本は、これから自分はどうすればいいのか、日本はどうなっていくのか、不安に思っている方に、ひとつのものの見方(=価値観)を提供する本です。
アロハ萌え (講談社文庫)
単にハワイの今を知りたいなら、ネットやガイドブックをお勧めします。
が、ハワイをどう感じたらもっと楽しくなるかと考えている方、日本でハワイ気分に浸りたい方、ハワイって何がいいのかわからないけど、ハワイが好き!って方には
アロハ萌えをお勧めします!!
なんといっても読みやすい。面白い。そして書いてあることが身近。
この作者のセンスはとっても良くて、タダのマニア本に終わらずに、
しっかり読み応えのあるエッセイのようになっているのがすばらしかったです。
電車の中で読むときは、笑い声で周りの方に気をつけてお読みください。
結婚できない男
このドラマのキャラクターは実に個性的で、
設定や空気感が独特で、
むしろ人には広めたくない位の作品だ。
現在、まだ11話までで、さて、
結果がでるのかな。
むしろずっと続いて欲しい世界だ。
小説 僕の初恋をキミに捧ぐ (小学館文庫)
キャラクターが非常に活き活きとしています。
余命が限られた主人公と、主人公のためにたくさん涙するヒロイン。
お互いの「好き」という思いが強すぎて、衝突しあう二人が、いろんなことを経験して大人になっていきますが、その成長とともに、主人公のタイムリミットも近づいていきます…
ページ数が少ないからでしょうか、コミックが原作からなのか、ストーリーが急展開の連続です。
原作コミックとは違う、小説らしい『僕の初恋をキミに捧ぐ』が読みたかった。
その点で星−1です。
しかし、原作のテンポの良さやキャラクターの快活さを生かそうとすれば、このような展開も良いのかもしれません。
最後に、結末は自分の目でお確かめください。
小説 さくら前線 ~君だけの天使になる~
私かかねがねこの作者の作品については生きた愛を描いているとレビューしてきましたが、今回は死が大きなテーマである。
あまりにも狭いコミュニティで次々に起こるトラブルがあまりにも現実離れしているという意見もあるかもしれない。
しかし、それも、日常的な感情の動きも事件だと考えれば、さもあるかもしれない。
結局根底には登場人物の若さからは想像できない深い愛情がある。純粋であるが故におこるすれ違いや、進まない部分。
天使という立場で見える現実や逆にそれゆえのもどかしさがいっそう物語りに彩りを添えている。
ここには紛れもない生きた愛の証があるといえるのだろう。今回も名作です。