バッド・アズ・ミー
待ちに待った新作!
結論から先に言ってしまいたいくらい最高なでき。
こういう胸が騒ぐ作品を待っていた。
このドスの効いた濁声に圧倒される。
オープニングの「シカゴ」の
ガチャガチャしたサウンドからしてトムだなぁと思わせてくれる。
続く「レイズド・ライト・メン」の
緊張感も最高!以降もヴァラエティ豊かな楽曲が続き飽きさせない。
復活したトムのピアノもいたるところで聴ける。
最も注目すべきは、やはりキース・リチャーズとの競演。
今回は4曲で一緒にやっているけれど、
「最後の一葉」で一緒のヴォーカルをとるところは鳥肌もの。
2人のだみ声の枯れた爺さん(!?)の、
ハモりとは程遠いコーラスが最高にぞくぞくする。
「ヘル・ブロウク・ルース」では、
キースと共にレッチリのフリーまで競演している豪華さ。
長く聴ける佳作だと感じた。
Bad As Me
この齢で、カッコ良いアルバムをリリース出来るのは凄すぎです。7年間エナジーを充填していたとしても、その表現力はレコード盤の溝から溢れ出んばかりです!A面頭に針を落としてビックリ仰天。マディー・ウォーターズの再来かと耳は釘付けになりました。素敵なリズムセクションがイカシタグルーヴをまき散らします。トムの声も自信溢れる素晴らしいサウンドとともに十二分に吠え咬みついてくれます。こんな素晴らしい楽曲が今の合衆国ではヒップホップばかりが流れるだけで、決して電波に乗らないという現実。悲しいですよね。マスタリングはバーニー・グランドマン大師匠です。フルCDも付いておりますので・・・。なんといっても歌詞掲載のフルLPサイズ、カラーー16Pブックレットが良いですよね。もうCDに使用されている文字は爺には判読不能ですから。ジャケットにボ〜っと浮かぶトムの笑みが“これを、まってたんだろ〜”って、自分に語りかけてくれているようで、大変満足な出来であります。嬉しい事に1Stのテイストを感じる楽曲もありますよ〜!(故、牛心隊長が乗り移っちまったと思う曲もございますので、是非ご拝聴賜りたいです。)同居人がいみじくも、ノタマウておりましたが、“この人って、米国版 あがた森魚?”って。遠からず近からずですかな? 蛍の光がとっても自身の心に沁み入ります。
Closing Time
鬼才トム・ウェイツの大傑作ファースト・アルバム。
最悪の気分で、ドロドロに疲れきって家に帰った夜には、色々なリフレッシュ方法があると思いますが、私は必ずビールかワインかウィスキーを片手にこのCDを聴きます。トム・ウェイツの渋い歌声が身体中に沁み渡り、何とも言えない静かな気持ちになれます。
とにかく佳曲ぞろいのこのアルバムですが、「恋におそれて」とか「ロージー」などは涙が出るほどいい曲です。とにかくお勧め。
ジム・ジャームッシュ / アーリー・コレクションDVD-BOX (初回限定生産)
ついに発売!ジム・ジャームッシュの初期作品集
『パーマネント・バケーション』『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ダウン・バイ・ロー』の傑作3作品を収録
映画界に颯爽と現れ、唯一無二の映画監督としての現在を語る上でもはずせない作品たち。
ジム・ジャームッシュらしさが凝縮されているので好きな人は「買い」です。
もちろん、わたしは買います。
トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使
パトリック・ハンフリーズは、
92年に出たトム・ウェイツの評伝『酔いどれ天使の唄』の
著者でもあるのだが、本書はリメイクではない。
今から思えば、前著はトム・ウェイツのキャリアの中間地点でしかなく、
それから2倍近いキャリアを重ねた、今もなお・・・というよりも、
より一層、過激に、自由に、音楽活動を続けるウェイツの、これは最新評伝。
ケルアックの『路上』に憧れた若き日々から、
「酔いどれ詩人」というキャラクターを作りだした70年代、
コッポラやジャームッシュとの映画の仕事など、
トム・ウェイツを通して見るアメリカン・カルチャーも興味深い。
金原瑞人氏の翻訳による、いかにもな「ウェイツ節」は読みやすく、
巻頭の珍しいスチール写真の数々(だいたい同じ顔(笑))も嬉しい一冊。
トム・ウェイツという男は、決して「酔いどれ」ではない。
この本から感じるのは、独自の「言葉」と「音楽」の可能性を追求し続ける
頑固でストイックな音楽職人の姿だ。