FORTH~再生
期待以上の質の高さに感激しながら聴いています。
ザ・ヴァーブの結成は古いのですが、10年前に800万枚を越すセールス記録したアルバム「アーバン・ヒムス("都会派聖歌"の意)」発表後、メンバー間の確執もあり解散していました。そして、リード・ボーカルのリチャード・アシュクロフトによると楽しむために再結成しアルバムを製作したそうです。
「フォース」には「アーバン・ヒムス」に収録されていた「ビター・スウィート・シンフォニー」のような大ヒットするような曲がありません。これは、コールドプレイの「美しき生命」や「サージェント・ペパー」と似た感じです。しかし、すべての曲の質が高いのです。そして、いかにもブリティッシュ・ロックというオープニングからダンスミュージックのようなファースト・シングルとなった2曲目へのつながりもぴったりです。
その後も美しさと重さを織り交ぜながら全10曲が流れていきます。国内盤は2曲ボーナスが入っているそうですので、それも聴いてみたいと思います。聴いていないのではっきりとは分かりませんが、流れがなくなるからアルバムからは外したのでしょう。
アメリカ盤は見開きの紙ジャケで付属する冊子には各メンバーのきついジョークが一言ずつ書かれています。リチャードは、「現代人は中国製の靴底で歩きましょう」
しばらく聴き続けられるアルバムです。
ディス・イズ・ミュージック-ザ・シングルズ92-98 [DVD]
同じ3000円を使うなら、コピーコントロールCDのベスト盤を買うよりもこのDVDを買った方が絶対にお得。楽曲の世界観のまま鮮烈に網膜と鼓膜の両方に焼き付けるビデオクリップで、自宅にいながらトリップ状態。リチャード・アシュクロフトの眼には人を惹きつける強烈なエナジーが宿っていますよ。
FORTH(初回限定盤)(DVD付)
先行シングル“Love Is Noise”を聴いた時点では自分の中で温度は低かったし、サマソニに出るのを分かっていながらスルーするような状態だったんだけど、このアルバムと、グラストンベリーやコーチェラのパフォーマンスの充実ぶりを見て完全に変えさせられてしまった。
決して『Urban Hymns』と比べて派手なわけでもない。“Bitter Sweet Symphony”や“Sonnet”のようなビッグ・アンセムを期待すると確実に肩透かし。かと言って「これがヴァーヴの本来の姿」と言うほど陰鬱でダークな霧がかかった印象もない。鮮やかに自分の奥底に染み渡り、広がっていくような澄み切ったサイケデリア。これまでの「History」をないがしろにするわけでもなく、かと言ってすがるわけでもない、ちょうど良い温度感で彼らは復活した。願わくはもう一回来日して欲しいということ。その時は絶対に目撃したい。
Verve Remixed 2 (Dig)
GotanProjectによる「Whatever Lola wants」のリミックスに興味を持ってremixedを聞いてみた。どれも素晴らしいのだけどもGotanによるアコーディオンの音色の物悲しさと怪しさが秀逸で、これはタンゴをやっている彼らだから(かつフランス人だから?)出せる音だと思いました。あとは、Jeffaによる「Black is the color of my true love's hair」も良くて、これによって波が引くようにアルバムが〆られてて、たいていもう一回リピートします。しかし、その後にUnremixedのアルバム(原曲たちのコンピ)を聞くと原曲のアーティストの才能に驚愕!良いものはどうやっても、いつの時代でも良いのだ。remixしたアーティストたちは苦労したんじゃないかな、この才能を料理しろって言われてもねぇ…と。