アートの仕事 太陽レクチャー・ブック004
会田誠さん・都築響一さん・小谷元彦さんのファンで、小林孝亘さん・グルーヴィジョンズ・八谷和彦さんも気になるので読んでみました。
本の内容はアーティストやギャラリストのインタビュー集ですが、取り上げる分野は幅広くバランスと人選が良い、インタビューは作家の個性を引き出しているし、「作品を買うほどでもないけれど、ちょっと気になる」作家も載っていてお買い得だし、ギャラリストの話を聞く(読む)ことはあまり無いので勉強になりました。
会田誠さんは、行き当たりばったり破れ被れの自分を客観的によく知っていて、私の中での好感度が大幅に上がりました。インタビューではオタク系の話は出てこなかったけれど、オタク系に精通していると思う。
都築響一さんは、タイ・エレファント・オーケストラ、象の絵、チンパンジーのミッキくんの写真、伊豆極楽苑、鳥羽国際秘宝館、ラブホテル、イメクラ…と、今迄知らなかった世界を教えてくれ、衝撃を受けて物の見方が変わりました。
小谷元彦さんは、スタイリッシュな美意識に感銘を受けました。
辛酸なめ子の現代社会学
テレビなどでもお馴染み辛酸なめ子さんの新刊。
『わしズム』などの連載をまとめたもので、
純愛ブーム、ハンカチ王子、モンスターペアレント
…といったここ数年の事象について漫画化しています。
エッセイ漫画、体験漫画、そしてフィクションとが
ごちゃまぜとなり、独特な読後感が味わえますね。
ちゃんと結論というか、なめ子さんなりのオチが
それぞれについてる点には感心しました。
(特に『個人情報過敏症』は秀逸!)
絵のタッチは好みが分かれるかも。。。
まえがきに「私のしていることは、全て取材である。」とあります。
能動的に行動へ出る場合もあるようですが、
日々の日常生活から作品のヒントを
得ている場合も多々あるようですね。
私たちにとっても、日常的な会話や
些細な体験、面倒な近所&親戚付き合いなども
取材と受け止め、アウトプットするため
(例えば、友人との与太話)の素材集め
だと考えれば、それなりに楽しめるのでは?
…そう、自分に言い聞かせることが出来る
1冊にもなりました。
女子校育ち (ちくまプリマー新書)
言及されている女子校を卒業し、よく知らない人から「お嬢様系進学校でしょ?」と言われ続け、世間からはそう見られてるんだーと調子に乗ること十数年。
そんな自分の過去の勲章を振り返るためにこの本を手にとったところ、実際は長い歳月の間になかったことにしていた過去の恥や汚点あまたが鋭く切り取られており、冷や汗かきました。普段はなめ子さんの毒舌ファンでくすくす笑って読んでいるのですが、今回はまったく笑えず。週刊誌にお家騒動を書きたてられたらこんな気分なんでしょうか。。。
でも、当事者にこんな風に思わせるのってある意味やっぱり力作なのかも。
ギャグ漫画家大喜利バトル!! [DVD]
大喜利とは、
用意された様々なお題に対して、面白い答えを出し合い、互いのお笑いセンスを競うこと。
-wikipediaより。
うすた京介、辛酸なめ子、朝倉世界一、おおひなたごう、しりあがり寿…
大好きな作家さん達の出演と、もともと大喜利が好きな事も手伝い、すぐに購入を決めました。
本家(?)ダイナマイト関西に劣らない内容に大満足です!
個人的には、うすた先生となめ子先生のレベル高すぎな戦いが、最高に面白かったです。
お二人とも素晴らしく病んでいらっしゃいます。
進行を進める実況席に座るのは、ヤングジャンプの編集者と敗退者漫画家なのですが、
設問や答えの間に、ちょっとした毒が聞けるのも良かったです。
「それを原稿にぶちまけてほしい」「優勝者は少年ジャンプでの連載権」の言葉には、にやにやしました。
ちなみに審査委員長は寺田克也さんです。 素敵!
残念なのは、映像&音質が劣悪。
特に第一回目のは、友達が結婚式の二次会で撮影してくれた様な、そんなレベルです。
司会者の音声がマイク割れしているし(声と司会の流れはとてもいいのに・・)、
集中して見ると画面酔いしそうになります。
商品として売り出すなら、もっとちゃんとした機器で撮影してほしい。
とても楽しめる内容だっただけに、そこだけが本当に残念でした。
逆に、上にあげた点に目をつむれる方には最高の内容なのではないでしょうか。
大喜利がお好きな方、漫画家さんの近況が気になって雑誌の最後のコメントまで読んじゃう方、
出演漫画家さんのfanの方もそうじゃない方も、
内にこもる系のお笑いがお好きな方には必見だと思います。
あと叶うならば、次会はぜひ施川ユウキ先生か一條マサヒデ先生を!!