琉球王国 (岩波新書)
沖縄は注目されても、沖縄史って全くといっていいほどクローズアップされたことがありませんでした。
それを知ることのできる本だったと思います。
大学時代から、沖縄の友人が多くいました。
そのたびに、「沖縄は外国だよね!!」と言っていましたが、この本を読んで、たった100年前まで琉球王国だったという事実を再認識しました。
江戸時代の島津侵入後も王国は存続し、明治時代に廃藩置県で沖縄県となるまで、そこには国王がいたんですって。
場所によって文化や言葉が違うことはあっても、そこを外国だと認識することってないですが、独自の国王がいたということは、やっぱり外国だったといって過言ではないと思います。
廃藩置県の際、琉球と中国が反発したのをみても、そこは独立した場所だったんだな〜と思います。
王国を築きながらも、江戸時代に薩摩藩に侵入され、明治時代には勝手に県とされ、戦後にはアメリカの統治下に置かれた琉球。
そんな歴史ばかりでなく、そこにも独自の歴史があったことを再発見した本でした。
世界遺産〜オリジナル・セレクション〜 [VOL.3 日本の世界遺産編] [DVD]
世界遺産の中でも、屋久島や日光など身近な世界遺産を4ヶ所案内してくれる。私のような旅行好き、世界遺産好きには、入門編としてもうってつけの1本でした。価格から見ても相当安い!!それなのに内容は音楽もナレーションもとても好く丁寧に仕上げられています。身近であってもすばらしい世界遺産が日本にもあるんだと納得させてくれるタイトルでした。このシリーズは世界編も含めて3つのタイトルがシリーズででているようですので、そちらも、ぜひ見てみたいと思っています。
世界遺産 日本編(5)姫路城/琉球王国のグスクおよび関連遺産群 [DVD]
法隆寺とともに日本初の世界遺産に指定されたことがうなずける姫路城、こちらは良い!
いろいろな場所から、いろいろなアングルで、四季を通して撮影した城の姿は、
とても美しく迫力があり見応えたっぷりである。
雪で真っ白になった姿や夕焼けに映える天守閣、紅葉と堀、そして感動的なのが桜の頃。
染井吉野のピンクと城壁の白のコントラストは、もう美しい!の一言。
姫路城を、より美しく見せたいという想いが、その撮影には感じられる。
実際に行って見るのも、もちろん良いだろうが、それだけでは、この作品のような見方はできないので、
一見の価値はあると思う。
また、外観の映像とは別に、城の歴史の解説、城内の外敵を阻む各種の仕掛けや工夫の解説も
なかなか興味深く、同じ国宝の松本城と比較した解説も面白い。
これは、姫路城を再認識する作品かもしれない。 とにかく魅力的な城だ。
久々にDVDで見たが、映像の美しさは、やはり感動ものである。
もう一つの琉球王国の方は、貴重な遺産ではあるのだろうが、あまり見どころがない。
沖縄の自然を散りばめてくれれば、こちらも、もっと良い作品になったのではないかと思うだけに
残念である。
「グスク」という石の廃墟と、首里城内部の解説を聞きながら琉球王国の歴史を知ることはできるが、
やや退屈。
姫路城と作品の作り方は同じなのだが、姫路城が素晴らしすぎたために、
このように感じたのかもしれない。
姫路城だけなら★5つなのだが・・・。
琉球王国 -東アジアのコーナーストーン (講談社選書メチエ)
この分野の初心者ですが、琉球史を理解すべき観点が網羅されているように思いました。
例えばそれは次の章立てからも分かると思います。
序章 琉球王国とは何か
第一章 グスクの時代
第二章 明の成立と琉球王国の勃興
第三章 東アジア貿易圏の中の琉球
第四章 幕藩体制下の琉球王国
第五章 王国の改革と中国化
第六章 琉球王国の進貢貿易
第七章 冊封体制と琉球王国
終章 王国の消滅
全体を通じて、おそらく専門家の間では共通理解となっている事柄でも、
そう理解できる根拠を明示してあります。
これは優れた概説書の1つの条件ではないかと思います。
読後感として強く残ったのは次の2点。
まず、よく「眠るような先史時代」と言われたりもする琉球の文献史以前が、
諸グスク発掘の考古学的成果と、史書の突き合わせによって、
ここまで具体的に分かるものなのかと驚きました。
琉球史学の進展に素直に敬服するところです。
もう一つは、中国の冊封体制下にありつつ薩摩の保護下にもあったことが、
よく「大国に翻弄され」云々と表現されて、それで聞く側も了解した気になるものですが、
これが琉球王国の自ら積極的にとった政策で、それがもたらす意義もあり、限界もあったのだと
いうことが私なりに理解できたと思います。
いずれかの肩を持つことなどを遠く離れた理解に導かれるのは、
琉球だけでなく「歴史」と向き合う際の充実した経験を持たせてもらえたように思います。
沖縄・琉球の歴史に興味があるが、何を読んでいいか分からない、
という人には是非ともお薦めしたい一書です。