ホラー番長 スペシャルBOX [DVD]
ユーロスペースで上映された企画「ホラー番長」の4作品を集めたボックス。
単品のソフトが4タイトル収められ、さらに特典ディスクが1枚追加されたセットがこの価格なら、かなりの割安でお得感が高い。
特典ディスクの内容は、ユーロスペースでの監督&女優のトークショー(『稀人』と『ソドムの市』)、監督&キャストの対談(『月猫に蜜の弾丸』と『運命人間』)、そして『稀人』『ソドムの市』のメイキングが少々と「ホラー番長」の予告編。
特典ディスクの内容は非常に物足りない。
ボックスに収められた単独ディスクは4枚とも片面一層で、それぞれの映像特典内容は初日舞台挨拶だけだったのだから、まだまだDVDソフトとしては容量が余っている。つまりこの特典ディスクの映像素材は、各単品に振り分けても問題ない。そういう意味ではメーカー側の商魂にはいやらしさを感じるが……。
まぁ、単品でちょびちょび買うぐらいなら、これ1箱買ってしまった方が安く上がるのは確かである。値段的にサービスしているのだから高望みしても仕方ないが、同梱特典にブックレット(解説書)は欲しかったところだ。
(★ホラー番長4作品の単品商品に関しては個別にレビューを書いているので、そちらを参照して下さい)
<ホラー番長シリーズ> ソドムの市 [DVD]
『ソドムの市』というのは、サドやパゾリーニとは関係なく、『メクラで仕込み杖をつかう、座頭一みたいなソドムさん』という意味です。これだけでもわかるように、はっちゃめっちゃの映画で、トロマが邦画をやっているのか、学園祭シロウト映画なのか。演技やセリフがものすごくヘタな人はいるし、ギャグはベタだし、進行はご都合主義だし、ハトやB-29はつっている糸がまる見えだし、格闘する女刑事は人形って丸わかりだし、車の窓にはりついている人間は写真だし、飲食店のシーンはみんな同じ場所だし、話がどんどんスライドしていく感じは『発狂する唇』みたいですね。(と、思ったら、同じ監督でした。)
低予算を逆手にとって、インディで造られた映画だと思ったら、メジャーだって。ちゃんと舞台挨拶つきて。あれまーびっくり。最初、「ああ、こりゃひでー!」と思ってたのが、意図的としか思えない小ネタの連発でだんだん心地よくなってきました。これはこれでアリですね。
パゾリーニ・コレクション ソドムの市 (オリジナル全長版) [DVD]
内容に関しては他の方が書いておられるので、パッケージ等に関して。
パッケージはブックレットと、DVDケースが納まる紙製となっています。ブックレットの出来がとてもよく、評論家や、映画監督のコメント、パゾリーニ自身の生い立ちなど、様々な文章が載っております。
また、絵葉書が5枚ほど付属しており、こちらもオマケとしては嬉しい。
ただ、DVDに関して、特典映像が少なく、当時の撮影風景などあれば、もっと良かったのではないかと思います。
ソドムの映画市
コフィン・ジョー、サム・ペキンパー、トビー・フーパー、ジョン・ウォーターズ、ファスビンダー・・・。語り口がホントに絶妙なのだ。
愛情に満ち溢れている。実際に観たい気にさせる評論(?)という点では、絶対、世界一だ!!!
おまけについている宇川直宏との対談も楽しすぎる!!!