子どもの隣り (新潮文庫)
子供ってなんだろう?自分もそうだったのに、やっぱ大人から見ると子供ってわからんっていつのまにかなってる自分がいる。そんな、子供の視点で物を見ることができるこの作品は不思議な魅力を感じた。自分は子供といる機会もあまりないし、当然結婚もしてないし子供もいない。でも、子供のころ自分が大人にたいして抱いていた気持ちってここまで鋭かったのか?と思わせる作品だった。素直に信頼しているつもりでも、やっぱつもりじゃあ子供に簡単に見抜かれてしまう。そんな子供の目の鋭さをちょっと怖くも感じた一冊ですね。あと、灰谷の文章も俺は好きです。わかりやすくて気取ってない、そんな作家ってなかなかいないかも。
優しくって少しばか (集英社文庫)
なんとなく軽いタッチで若者層をつかむのにはキャッチーな、それでいてすこし重いものを扱っていて、完全に大衆受けする作品でもないところがちょいと惹かれるところ。この本が作者に関して読んだ始めての本だったのであと数冊読んでみたいなあと思わせられた。短編集なのだが、「雑司が谷へ」と「ポール・ニザンを残して」がよかった。ちょいとミステリアスにするところはリアリティが少しかけているかもと思った。読み手がわの想像力をもてあそぶ感じであるが、とても演劇チックなところがある。作者の経歴に演劇科卒業と書いてあったのでその点が影響しているのかもしれないが、あまり詳しいことは分からなかったので何とも言いようがないが。好きなフレーズは「答えがいつか出るんじゃないかと思いながら一緒にいるのが”女の愛”で答えが出ないとわかっていながら答えを出そうともがくのが”男の愛”である」というところ。
心がだんだん晴れてくる本 (新潮文庫)
どん底気分を味わっていた時に、手当たり次第に読んだ中の本の一冊。
読んだ感想は、この程度で心が晴れるなら苦労しないよ!って感じかな。特に人生に問題を抱えていると感じていなくて、何となく満たされない、とか、何となく心が晴れない、という人にはお勧めだと思います。軽く読めて、そこそこ使える本だと思います。