思い出トランプ (新潮文庫)
短編集。普通に暮らしている人々の怖さや弱さを提示している。本当に怖いです。大人の物語です。我々の人生にも本書で提示されている怖さや弱さはあるが、それを筆者は冷静なタッチで描いているので、我々の受ける感傷も自分で感じている以上のものになる。変な話であるが、女性だから書けたのであろう。それ以上に筆者の実力があったのだが。向田さんのエッセイも必読です。(父の詫び状)星5つです。
寺内貫太郎一家 DVD-BOX 1
石屋の頑固親父を中心に面白おかしな家族と住人達のホームコメディ
毎回必ず展開される茶の間での乱闘シーンはホームドラマの代名詞といえる。
遊び心満載の脚本・演出(向田邦子に久世光彦、音楽に傷天コンビ、そして横尾忠則)
個性的な俳優陣(伴淳、由利徹、左とん平、樹木希林、これで面白くないわけがない)
基本はコメディでありながら、登場人物の誰もが自分に素直に、真剣に生き
他人とぶつかり、また互いを思いやる、家族の絆を強く考えさせられるドラマです。
源氏物語 [DVD]
お姫さまもお妃さまも独身でも既婚でも、世の女性はみんな光の君を愛しちゃう!
ん?光の君ってまんまジュリーだわ!!
お妃さまって、義理のママよ、これパパの女よ。パパって国王なのよ。
うわわ、大罪よ!!
だけどあなたが光の君にジュリーに、全てを承知の上で愛されたと思ってごらんなさいまし。
地獄の底への道行きもジュリーが相手なら望むところでしょう。
大罪も甘んじて受け入れますね。
ため息が出るジュリーの美しさが日本古典名作の世界へと誘います。
古典と侮るなかれ。なんせ「ジュリーの君」です。
もう戻れない、愛の世界♪ジュリーワールド☆☆☆
いざ!どっぷりと溺れようではありませんか。
長い、見辛いとのお声もあるようですが、そこは時間を忘れ思いっきり溺れ楽しみましょうよ。
ジュリーに溺れるなんて幸せ!願ったり叶ったりではありませぬか、のお。
あなたのご期待は裏切りません。
待ってました!古典風上品味付けにての、えろえろビームにえろえろオーラ、大炸裂の満開花吹雪のジュリーでございます。
さあオーダー、オーダー。迷わずともよからずよ。ええい、買っちゃえ!
・・・ジュリーなんだもの、紫式部も本望でしょうね。
イントロデューシング
2年くらい前、「このアルバムを持っていませんか?ずっと探しているのです」と聞かれました。
やはり向田邦子ファンの方。
その人のためもあるけれど、どんなアルバムなのか聴いてみたくて必死に探したことがあります。
昨日、たまたま店頭で再発を知り、買いました。
なるほどーでした。
トータルタイム33分ちょっとなのですけれど、もっとずっと長く感じます。
ずっとスローテンポでしっとりと聴かせるからでしょうか。
しかも嫌らしくない。
昔のジャズ女性ボーカル物は、トータルタイムが短いのが気になって、どうもダメなのですけれど、
これは良かった。
向田邦子×久世光彦スペシャルドラマ傑作選(平成9年~平成13年)BOX [DVD]
毎年お正月を少し過ぎたころに放送されていた、久世光彦演出の向田作品。毎回、話の構成は大体同じなのだが、つい見入ってしまう。その理由としては、向田作品の持つ「力」であろう。一見すると、堅実で、礼儀正しく、朗らかな「完璧」な家庭。しかしながら一人ひとりの人間には何かわだかまりやら秘密があって、ふとしたときにそれが露呈される。家庭の持つ「陰」の部分が非常に旨く描き出されているからこそ、この作品は時代を超えて共感されるのではないでしょうか。そして忘れてはならないのは、この作品を演じる役者たち、加藤治子、小林薫、田中祐子である。ちょっとしたしぐさにもその時々の心情が表現されており、かつそれが自然なだけに引き込まれてしまう。このような豪華な定番キャストに挑戦する「旬」の俳優たちも、普段とは異なった一面を見せていて、この点もこの作品の大きな魅力となっているように思われる。