アンネの日記 (文春文庫)
13才から15才の間に書かれた子供のもととはいえ、戦争時の日記を読めるという体験が貴重だと思いました。
当時のゲシュタポに怯えながらの彼ら隠れ家での生活の様子が細部にわたってわかり、とても臨場感が伝わってきます。
この日記を読んで、10代の頃の自分の親や周囲の人間への観察や批判、また早く大人になりたいという気持ちや将来への希望など、少女だった頃の気持ちを思い出し、とても感情移入できました。
60年以上前の日記でも、10代の少女の気持ちは国境や時代を越えて似たものなんだと感心してしまいました。
日記は、彼らがゲシュタポに捕まって突然終わります。
その後のアンネ達がどの様に収容所で亡くなっていたのかを知りたい方は、その他の書籍も良いですが、映画「アンネ・フランク」を是非おすすめします。
アンネ達がどの様に亡くなっていったかを知ることで、この日記の存在の貴重さや素晴らしさが、よりよく理解できると思います。
そこで、はじめてこの物語が完結した気がしました。
とても感動したので、子供が生まれたら、ぜひ将来読ませたいと思います。
彼らの冥福を祈ります。
アンネの日記 [DVD]
アンネ役には同い年でアムステルダムに住んでいたことがあるオードリー・ヘップバーンも
候補に挙げられていたが、オードリー自身が辛い過去を思い出したくないという
理由で辞退したというエピソードは有名です。。そういえば、オーディションで選ばれた
ミリー・パーキンスは、どこかオードリーの妖精のような美しさと、若き日の
エリザベス・テイラーに似ているチャーミングな役者ですね。
屋根裏に2年間も隠れ住んでいたという事実を『アンネの日記』によって明らかになり、
この世に知れ渡ったことは実にラッキーであったが、アンネたちだけではなく、
その当時はヨーロッパ中で同じ運命を共にしたユダヤ人がいたことを忘れてはいけない。
ただ、我々日本人が『アンネの日記』に感銘を受けることは少し気が引けることもあるが、
戦後の戦争を知らない多くの世代には是非観てほしい作品です。
ファンーダース夫人役のシェりー・ウィンタースは同じくジョージ・スティーブンス
監督の『陽のあたる場所(1951)』でアカデミー助演女優にノミネートされた女優で、
今作では見事助演女優賞を受賞している。そして、ペーター役のリチャード・ベイマーと
いえば、アカデミー賞10部門を受賞した名作『ウエストサイド物語(1961)』の
トニー役で一世を風靡した2枚目男優でした。
それにしても男優ジョセフ・シールドクラフトのオットー・フランク役は素晴らしいの
一言。どこまで実在と似ているかわからないが、おそらく彼なしでは2年間も隠れることは
不可能であったと思う。
3時間におよぶ長編作ですが、緊張するシーンの連続で観ている側としても、なんとなく
音をたてないように息を殺して観てしまった。とにかくラストシーンでおもいっきり
泣いてください。アンネの短い生涯が悲しみ誘うというより、2年間の屋根裏部屋での
生活を一生懸命に生きたアンネに深い感銘を受け、人間の生きる勇気とお互いの
素晴らしい人間愛を知ることができたアンネは幸せだったと思う。
最後は捕虜収容所で病気(おそらくペスト)でこの世を去ったと聞いているが、
父親のオットーだけが生存したことが、彼にとってどんなに辛いことだったでしょう。
解放されたあと、その家に戻ることがどんなに辛かったか、その時は、アンネは
まだどこかで生きていると信じていたんですね。
アンネ・フランク [DVD]
アムステルダムで実際にアンネ達の隠れ家に行った直後、この映画を感慨深く拝見しました。
「アンネの日記」の前後の流れや、アンネ以外の人の証言も含めた史実から映像化されており、時代背景などへの説明的な部分も足され、とてもわかりやすい映画となっています。
アンネ役の役者さんも、演技も上手いですが容姿もアンネに似ていて、まるで本当にアンネ達の姿を見ているような感覚さえ覚えました。
家の中の構造や雰囲気も、実際の隠れ家で撮影されたのか?と思うほど、忠実に再現されています。例えば、アンネの部屋の壁に張ってあった映画スターの写真や、隠れ家の入り口になっているファイルの入った本棚なども、現地で見た通りでした。この映画の制作者たちの、忠実で丁寧な仕事ぶりに感心させられました。とてもよくできた映画なので、もっとレンタル屋さんなどにも置いて、より多くの人に見て欲しいと思いました。
アンネに関する書物や映像などを通じて、私達は彼らに感情移入し、涙します。
彼らもナチスに殺害された600万のユダヤ人のほんの一部の人達に過ぎないのだと思うと、あまりにも残虐な人間の歴史の前に、やるせない悲しみを感じます。
第二次世界大戦は過去のことですが、まだ現在でも世界中で戦争が絶えません。
人間が戦争の愚かさを学び、いつか人間が平和な世界を作る日が来ることを、心から祈ります。
アンネの日記 [DVD]
第2次世界大戦下、実在したユダヤ人少女アンネ・フランクの半生を描いた
作品です。とても忠実に描かれており、マイケル・ナイマンのミュージックでも
涙しました。物語は、13歳の誕生日の日から始まり、次第にユダヤ人狩りが激しくなります。
そんなとき用意しておいたのが、事務所の「裏の家」です。アンネたちはここを隠れ家として
2年間生活していました。そんな中、作家になりたいという夢と、生き延びたいという希望を
忘れずに、日々日記をつけていました。最終的に警察に捕まり、晩年はマルゴーとともに
強制収容所で息を引き取ります。
私が特に感動したシーン。それは、8月4日、捕まられるとき、アンネが父オットーに
力強い目つきで軽く頷きます。そのとき、悲しい曲が流れ、涙が止まらなくなりました。
私たちは、今、こんなにも幸せな生活をしています。アンネも、こんな時代に生まれてきたら、作家という大きな夢も、実現したのではないでしょうか。そして、私たちは、
今の世の中を、精一杯生きなければなりません。立ち向かわなければなりません。
世界が平和になるその日まで、戦争・差別があったということを決して忘れてはいけないのです。今なお幼い子供たちにも、教えていかなければならないのです。
アンネ・フランク―戦争の中で生きる希望を書きつづけた少女 (小学館版学習まんが人物館)
この本は、アンネがドイツで過ごした幼年時代、オランダでの幼稚園時代、小学校時代、そして隠れ家での生活、逮捕後のホロコーストでの悲劇…戦争、ナチスのユダヤ人迫害という難しいテーマを、明るく可愛らしい少女アンネの成長の経過と、戦争とユダヤ人迫害という時代の影を一緒に描いている。極端に残酷な場面を描くことは避けながらも、比較的上手に、迫害の理不尽さと残酷さ、迫害される側の心理が、子供にも分かるように工夫されている。正直なところ、小学校低学年の娘に『アンネの日記』は早すぎると思っていたが、この小学館版学習まんが人物館『アンネ・フランク』を読んだ上でなら、ある程度はアンネに共感できると思う。大人が読んでも、いろいろ考えさせられる内容だと思う。