ブラコンアンソロジー Liqueur ―リキュール― (フレックスコミックス)
水上悟志(惑星のさみだれ)
押切連介(でろでろ)
春野友矢(ディーふらぐ!)などからブラコンを期待せず、著者で購入。
結果、おおむね期待通りの良さでした。
他のレビューにあるように三方のファンなら購入してもよさそうです。
それ以外でしたら
表紙のカトウハルアキ、百合原明、小坂泰之らが
あまあま、切なく、健全でそこそこ楽しめましたが
知らない筆者に期待してまで購入するのは避けた方がいいでしょう。
8巻戦国妖狐
千夜に絡んできた龍のムドが巻き起こす騒動が物語の主軸。しかし、変な話だが重要なのはそこではない。ナント、歴史上のあの人物が登場!そんな馬鹿な!!という、突っ込みどころは満載だが、「水戸黄門」を見ていると思ってスルーしてください。マジで。
真介一行とたまの再開。懐かしのあの人とも再会などもあり、まだ話が膨らみそう。記憶を失った千夜の悩みが狂おしい。千の魔物を内に秘める千夜を「人間だと」言い切るシーンは、なんだか泣ける。本人はある問題で苦しんでいても、他人が別の角度からみたら問題にすらならなっていない。確かに、そういうことはある。
己が力を憎み、力でしか解決できず、力がまた戦いを生む。故に己を許せない千夜!このループからいかに抜け出すか!頑張れ千夜!
どうでもいいけど、お色気が多すぎだろ。この人の漫画に色気はいらん。編集の好みか?
おまけ:この著者、セリフの端々に「頭にも力みがある」等、東洋の身体操作術や精神修養を思わせる言葉がある。なんかしてんだろうな〜。
惑星のさみだれ 10 (ヤングキングコミックス)
読み終えた感想は、「これはマズイかもしれない」でした。
今後の人生で、これほどの作品にはもう出会えないのではないか。
そんな不安を覚えるくらいに素晴らしい物語でした。
期待の上に期待を重ねて読み始め、そしてそのすべてを上回ってくれました。
傑作が傑作として完結することの、なんと素晴らしいことでしょう。
これからこの巻を読む方へ。
内容について詳しくは書きません。
ただ、ありったけ期待して、楽しみにして、自分の中のハードルを上げて読んでみてください。
大丈夫です、この作品は決してあなたを裏切りません。
最後に。
水上先生、本当にありがとうございました。
惑星のさみだれ全10巻 完結セット (ヤングキングコミックス)
マンガ好きなら確実にハマると豪語できる数少ない作品です。やや長いですがこの大好きな漫画を自分なりにご紹介しますので興味のある方はご一読願います。
祖父に軟禁された過去を持ち、人間嫌いで世界を憎むようになった大学生・雨宮夕日が主人公。焼き菓子を割るように地球を砕くビスケットハンマーを有する魔法使い・アニムスと12体の泥人形と戦う物語です。
一体目の泥人形に襲われ命の危機に陥った主人公はヒロインである朝比奈さみだれに救われます。さみだれは学校で夕日に言います。
「あんなんに地球は砕かせへん! なぜなら 地球を砕くんは私の拳だからじゃー! さあ雨宮夕日、忠誠を誓え」
忌み嫌う世界をぶち壊してくれるさみだれに惹かれ騎士となった夕日は、純粋に地球を救いたい他の仲間達と共に掌握領域という超能力を駆使し、人智を超えた敵とわたり合っていきます。
さみだれはなぜ地球を砕きたいのか。騎士団は敵に勝つことができるのか。戦いが進み世界も人も好きになれた夕日はどうするのかなど、物語に注目すべき点は多々ありますが、この作品の売りは作者の技量によるこの漫画そのものと言えます。
地球を救う、超能力を使うなど設定はバリバリ王道ながらも、ちょっとした工夫と見せ方のウマさで他の作品とは完全に一線を画すものとなってあります。強大な敵との戦いは非常にシリアスですが、それ一辺倒にならず真面目なシーンにもクスっと笑えるバランスの良い作風です。キャラ設定も秀逸で、小学生から30代までの12人が仲間であるため「子供と大人」という作品を通じてのテーマが理解しやすくなっています。大人と子供の中間である大学生の主人公が、年下から見れば自分は大人なんだと意識し、大人の背中を見て成長していきます。
一つの成長ストーリーとしてもバトル漫画としても楽しめる、非常に質の高い漫画だと断言できます。最後にこの作品の名言を少し紹介して終わりとさせて頂きます。
「大人が笑うのはな 大人は楽しいぜって子供に羨ましがられるため、人生は希望に満ちてるって教えるためさ」
「知ってるか? 子共はな 大人のマネを大人になっていくのだぞ」
全10巻でだれることなく疾走する物語をこの機会にどうぞお楽しみください!