伊藤みどり トリプルアクセルの先へ
「伊藤みどり」という伝説のスケーターへの愛と尊敬、一人の友人としてのあたたかなまなざしで綴られた一冊。
「ただスケートが好きだから滑る」〜その喜びを体いっぱいに表現した41歳の伊藤みどり氏が、アダルトスケートの大会に出場して2位に入賞した。
現役時代の技は無理でも、見事なダブルアクセルとステップをこなす伊藤みどり氏を、場内の観客はスタンディング・オーベーションで迎えたという。そのくだりだけでも、なんだか目頭が熱くなった。
伊藤みどり氏の現役時代、ジュニアの頃から応援してきた私にとっては、数々の大会で魅了してくれたプログラムやジャンプ技術について書かれた部分だけでも、懐かしさと共に改めて感動。
多くの伝説に彩られた現役時代の活躍が書かれていて、記憶が鮮やかに蘇り胸が熱くなる。
山田コーチの素晴らしい指導方針「勘違いするな」、慢心してはいけないetcは、スポーツ選手を育成する場合だけではなく、あらゆることに通じる精神だと思う。
現役引退後、スケートショーに出演したり、長野OPに向けて再度現役復帰にチャレンジした頃、解説者、レポーターとしての彼女なりの苦悩や葛藤も書かれていた。
まじめで不器用、何事にもきちんと向き合うゆえの行き詰まり、セカンドキャリアを身につけるための彼女なりの地道な努力など、親しい友人の著者ならではの伊藤みどり氏の女性としての素顔も紹介されている。
JOCが取り組んでいる、アスリート達のセカンドキャリアのサポート体制、就活対策については初めて知ったこと。
好きだから滑る、好きだから続けられる、順位なんか関係ない〜そんな気持ちが実に爽やか。
本の表紙の伊藤みどり氏の笑顔、それだけでも「スケートを心から愛する」気持ちが伝わってくる良書。
「あとがきにかえて」は、伊藤みどり氏から寄せられたメッセージ。
良書であるだけに、できるだけ多くのスケートファンに読む機会が与えられるように、新刊価格の設定を考えてほしかった。その点で★4。
伊藤みどり氏の選手時代の大会成績も掲載されている。
情熱がなければ伝わらない!アタッシェ・ドゥ・プレスという仕事 (NB Online books)
日経ビジネスオンラインで著者のコラムを読んで興味を持ち、購入しました。
ブランドに関する考え方、人に伝えることの難しさ、それ故に大切さなど簡潔に書かれています。
この手の本は、苦手だと思ったのですが、彼女の経験と考察が深いので
説得力があり、腑に落ちやすい本です。
広報関係者のみならず、営業や経理/総務などの間接部門の方にも是非読んでほしい本です。
情熱が仕事をする上での、潤滑油になることが良く理解出来ます。