マイノリティ・リポート 特別編 [DVD]
P.K.ディック、スピルバーグ、トム・クルーズ、ドリームワークスSKG、という豪華ラインナップがよい方向に回って、小綺麗にまとまったノンストップ系ハリウッド的SF映画の良作。
ちょっとレトロだけど(原作古いので)今風にアレンジされた未来社会を舞台に、まさに息つく暇もなく、字幕を読むのもはばかられる程のスピードで物語は展開し、飽きさせず次が見えない展開がサスペンスフルに楽しめます。
キツめのディック原作がスピルバーグで程よく薄められ、ちょっとかわいそうなぐらいいじめつけられるけど負けないトム・クルーズ、SW episodeI-IIやハリポより一世代進んだ感のある美しく無理のないCG。
登場する数々の小物や、画面の端で起きている細かい出来事、込み入った謎解きのストーリー、美しい映像/CGをとことん楽しむには2回3回と見る必要があるかも知れません。しかし、そういう細かいディティールがこの映画の魅力の一つだと思うので、ぜひDVDで心ゆくまでご覧になってみてください。
難点は、笑えないユーモアセンスとちょっと痛すぎるグロテスクなシーンが数カ所ある点ですが、まぁその点は目をつむれる範囲です。
ベスト・シネマ・クラシック100
disc1〜2は有名映画で使われたクラシック曲とクラシックではないスター・ウォーズやロード・オブ・ザ・リング、タイタニックなどのテーマも混ぜられています。ジョン・ウィリアムズやモリコーネなどの映画音楽もクラシックの名曲に引けを取らない傑作であるとあらためて気付かされます。
disc3からは映画のテーマ曲は無くなってクラシック曲ばかりになりますが、disc3では主にモーツァルトの曲が収録されています。disc1〜5にモーツァルトの有名曲はだいたい収録されています。
disc4はピアノ曲が集められていてナインマンのピアノ・レッスンの曲で幕開けです。このdisc4が一番のお気に入りです。
disc5は映画の中で使われたオペラ曲が集められています。
disc6はバッハを中心としたバロック曲がメインになります。
discによってカテゴリー分けがされているので、ピアノが気に入ればまた別のピアノのCDに行けばいいし、自分の好みのジャンルや作曲家が見つけやすくなってます。
ほとんどの曲が一度は聞いたことのある有名曲ばかりなので、映画が好きでこれからクラシックを聴いてみようかなと思ってる人には良い入門CDだと思います。
アット・ジャズ・カフェ・シネマ
古くはフレッド・アステアの「チーク・トゥ・チーク」(グリーン・マイルから)、最近のものではウイリアム・ギャリソンの「コーリング・ユー」(バクダッド・カフェから)まで、幅広い映画音楽からの選択。ジャズ中心の選び方でオスカー・ピーターソンの名曲まで。さすが音源を豊富にもつユニバーサルならではのコンピレ盤。いい選択なので映画ファンでなくても楽しめるのがいいですね。(松本敏之)
マイノリティ・リポート―ディック作品集 (ハヤカワ文庫SF)
映画を観てから、この本を読んだ人が多いせいか評価が低いですね。
でもこの本はお勧めです。マイナス評価を付ける理由が無い。
マイノリティ・リポート以外の作品も面白いし、ディックファンなら読んで損なし。
マイノリティ・リポート オリジナル・サウンドトラック
マイノリティ・リポート、この映画の影の主役は、ジョン・ウィリアムズによるこの音楽であろう。彼の音楽が、映像にある種の重さを与えることに成功した、と言っていいだろう。クラシック音楽の要素をしっかりと守っていながらも、マイノリティ・リポートというSFの中に自然に入っていく、これは、ジョン・ウィリアムズだからこそ、なしえたものなのかもしれない。