アヴェ・マリア
森麻紀さんのCD「アヴェ・マリア」を聴いていますと、見事なコロラトゥーラ歌唱、澄み通る透明感のある美声に感心させられます。
好きであるコロラトゥーラ・ソプラノのエディト・マティス(Edith Mathis)の後を継ぐ歌手として良いのでは無いかと思っています。
エディト・マティスも美人顔でしたが、森麻紀さんも気品のある美人顔、1963年のベーム初来日時に「フィガロの結婚」でケルビーノを演じてその愛らしい舞台姿が評判となったマティスを彷彿とさせます。
マティスも既に70才を越えているので、後継者とぴったり、森麻紀さんのバッハ・カンタータにも期待する処大きいものがあります。
彼女が今回のCD解説に、「聖書の言葉やお祈りは、キリスト教徒だけのためではなく、全ての人の為にあります。困難な時にも、母の様な大きな愛をもってマリア様が見守って下さる。音楽もマリア様のように、すべての人を幸せにする為にあるのだと信じています」と挨拶文を書いていますが、この様な真摯で奥床しいのも麻紀さんの魅力でもあります。
ベスト・マリア・カラス100
オペラを聴いたことがない人でも、マリア・カラスという歌手の名前は知っている。
本CDは没後30周年記念版であるが、CDのタイトル帯のキャッチコピーそのもので、オペラ入門者からカラス・マニアの方まで納得の100曲!だろう。是非、一気に聞いて、マリア・カラスの歌声に浸ってほしいものだ。それに価格も6枚組¥3000円(税込み)でお買い得だ。すこし、マニアチックに鑑賞のツボをいえば、彼女と競演してしている男声の豪華な歌唱も楽しみである。もちろん、現代オペラ歌唱と比べると時代かかった表現ばかりであるが、歌の本質について、彼女の真摯さが伝わる良い編集といえる。是非とも、一気に聞きとおして彼女のひいてはオペラの魅力の虜になってほしい。
ベスト・スピリチュアル100
中世やルネサンス時代からの選曲もあるのでマイナーすぎと思われるかもしれませんが
当時の代表曲ばかりですので捨て曲無し。「素晴らしい」の一言に尽きます。
私は毎晩寝る前に聴いてましたが、本当に心が洗われました。
純日本家屋の和室にコタツだろうが、目を瞑ればいいのです(笑)。
すぐにマリア像や天使の絵画が浮かんできます。
各社から溢れる程のベスト100シリーズが出ている中、
このカテゴリを取り上げてくれたのはEMIだけだと思います。
21世紀に、ここまで豊富な古い宗教曲が聴けるなんて奇跡に近い。
100曲の中から敢えてベスト1を選ばせて頂くと、
メンデルスゾーンの『谷川の流れに鹿が集うがごとく』でしょうか。
まさにギムナジウムに集う少年たちの静謐で繊細で透明な世界。
このCDをBGMに竹宮恵子さんや萩尾望都さんの作品を読むと泣けます。