やっぱり宴会!コミックソング
巷でよく耳にする音楽ですが、憶える気が無いので歌えませんでした。このCDは歌詞カードがあるので、その気になれば歌えるようになるでしょう。でも、やはり,素面(しらふ)では恥ずかしいですね。ライブ録音もあって、音質にはばらつきがありますが、冗談、悪戯、駄洒落好きな方は楽しめると思います。星4つは、面白くない歌もあるからです。好みもあると思いますが「わたし歌手になりましたよ」「ヤスジのオラオラ節」「山城新伍のあ〜ボチャンとね!!」は個人的に面白くありません。
にっちもさっちも―人生は五十一から〈5〉 (文春文庫)
1998年に始まった「人生は51から」の5冊目。2002年に週刊連載したコラムの集成である。私は1998〜2000年分の3冊を楽しんだあと、2001年分をまとめた「物情騒然」を飛ばして、本書を先に入手した。威勢のいい言辞で国を誤る愚を戦前と同じく先導して行いつつある団体には、1円の資金協力もしたくない。そのため、このシリーズは古書でしか入手できないのである(「物情騒然」はまだ古書店で発見できない)。
それにしても、右翼的気分に共感的な、あるいは、国やマスコミに素直に騙されている、主として中高年おやじの愛読誌に、どうして小林信彦のコラムが連載されるのか、かねがね不思議に思っていた。しかし本書を読むと、彼の舌鋒も鈍ったと言わざるを得ない。小泉政権に庶民が批判的だなんて、当時でさえ絶対にそんなことはなかったし、その後自民党は地滑り的大勝利さえ経験する。彼は一体何を見ていたのか。大甘である。床屋政談的批判など、投票行動と大きな相関はないだろう。景気がよくなるといわれたら、他のことなどどうでもよく、大抵の庶民は目先のことしか考えずに投票するのである。あるいはまた、郵便局を公営にするか民営にするかといった、大多数の人にとっては重大事とはいえないことを争点("red herring")にされ、重大案件を目隠しされても、それに気づけないような連中が庶民なのである。作者は庶民を見損なっているのではないか。また、アジテーションだけを売り物にするような媒体を相変わらず信用しているのも、それらによって現実に被害を被った経験のある一人として、笑止と言わざるを得ない。だからこういう誤認が起こる。もはや信用できる媒体などない、と見切ってしまった方がよいのではないか。
それでもなお、彼の世相批判には傾聴すべき点が多々ある。この巻は過去作品と比べて世の中への視力が落ちていると思うから、批判的に読むことをお勧めする。