知事は何ができるのか―「日本病」の治療は地域から
ポジショントークだとしてもなかなか面白い。ただ滋賀県民ないしは近隣県の方々でないと評価が困難とは思うので、滋賀県民の方どなたかレビューしてくださらないでしょうか?
いのちか原発か
3.11以来、原発本を手に取る人なら小出裕章氏を知らない人はいないだろう。国や御用学者が国民を何度も欺くなか、小出氏の発言は一貫した信念をもとに的確な指摘と考察で、私たちに信頼できる情報を提供し続けてくれている。
この本は事故以来、発行され続けている数ある原発本とちがい、小出氏と若狭・小浜明通寺住職中嶌 哲演さんの40年にもわたる反原発を唱えてきた経験から、まさにタイトルにあるように「いのちか原発か」の視点を持って「不正や差別は許さない」といった姿勢の会話で成っている。中嶌 哲演住職は、原発銀座と言われる若狭で原発立地に絡んだ諸問題に取り組み闘ってこられた方だというが、その裏話には心底驚く。
原発反対を唱える者に対して、推進派による不当な圧力はすさまじい。「ちょっと批判的な言動が見られると、公務員ならば人事報復、お店や民宿をやっている人には、客を寄せ付けなくして人々を震え上がらせてものを言えなくしてきた」読んでいて犯罪と推進が同義語とさえ思えてくる。心のある人がそのような現実を前にすれば、原子力がいかに人間を壊してきたかが見えてくるはずだ。命を重んじる人ならばその時点で推進など有りえないではないか。過去何十年かの間、私たちは原発の裏に潜んでいたこうした問題を知らされること無く、ときに無視してきたがために今、取り返しのつかない悲劇に見舞われている。(ここで学ばなければもう救いようがないと思う)
哲演住職が、生きとし生きるものと調和し生きていく中にほんとうの意味での幸福があり、人類を生き延びさせたいならば「少欲知足」しかないと提言すると、小出氏は「そうした哲学を個々が取り戻すことがいちばん大切」だと応じる。「原発に賛成するか反対するかは、その人の生き方の問題だ」と言われた小出氏のいわんとすることがクリアになる一冊だった。このような心に染みる内容の会話をぜひとも推進派全ての人々を集めて、説いてほしいと思う。
内視鏡世界
百鬼夜行、あるいは魑魅魍魎が押し寄せてくる光景をそのまま音にしたようなすさまじい世界。圧倒されます。プログレメタル。メタルサウンドに雨粒のように打ち付ける激しいピアノ、複雑怪奇でプログレッシブな曲展開、メロディアスな普通声と邪悪なデスボイスを目まぐるしく使い分ける女性ボーカル、漢字だらけで難解な詩世界、それらが合わさって巨大な凶々しい力の渦が形成される。しかし、そうしてできた世界は果てないカオスでありながらも同時に何と美しいことか。極限まで研ぎ澄まされた美と醜の世界。デスメタルだからって敬遠すべきではない。普通声とデスボイスの比率はほぼ半々なので、メロディアスなパートもかなりあってデスメタルはあまり聞かない人でも聞きやすいと思う。冒頭の激しいピアノと「無い無い無い…」というおぞましい叫びがかっこよすぎる20分近い大作「赤い記憶」は特に素晴らしい。