ナミダノイチ
インディーズ時代から光るものは持っていたし、完成された世界観をもっているなぁ、
と注目はしていたけれど、デビューしてシングル3枚を聴き、より洗練された方向に
向かったのか?とも思っていた。
しかし、今回のアルバムを聴いて、僕の予想を遥かに超えた幅広い世界を提供してくれた。
それは音楽性の幅だけではなく、スタンダードミュージックになりうるメロディーと
歌声に裏づけされたPOPSの王道の世界。
こういう音楽をやると、どうしてもバンド感というのが薄くなりがちなのだが、
蝉時雨はものすごい太さのバンド感を前面に打ち出しながら、さらっとやってのけている。
凄い才能ある新人が登場したものだ。
特殊な音楽ジャンルではないし、派手に目立つところも無いし、ビジュアルで目立つ
バンドでもない...。こういう音楽は10代の女性に受けるのかどうかは分からないが、
間違いなく70年代から80年代に完成された和製ポップスの21世紀盤がここにあります。
これを聴いて「名盤」という言葉が浮かんだし、僕の中では最近の邦楽の
ベストアルバムです。
01.僕のテレビジョン
02.24年とケーキ
03.待ち人に花
04.ナミダ工場
05.猫なで彼女
06.晴れたお空
07.煙の街
08.よごれた手
09.蟇
10.北風ハンカチーフ
11.蜩
12.シュガートースト物語
未来ちゃん
彼女の顔を見たとき、何故か太宰治の「魚服記」の主人公スワのことを思い出した。
見ているこちらの心の奥まで貫き通すような強い眼差し。
それがスワの放った「おめえ、なにしに生きでるば」と重なるのである。
物語後半の展開を考えると、縁起でもない!と不快に思う方も居るかもしれないが、(実在のお子さんでもありますし…しかし「川島さんの作品」として捉えたとして下さい)
あの短いお話の中で放った少女の生の強い残像が、この写真集の少女の面影と重なるのである。
雪深い背景もその一助になっているかもしれない。
ただ幸福で気持のよい空気が横溢する写真集ではない。
ドキリと立ち竦んでしまうような、命の生々しさがここにはある。
ヨスガノソラ 4 [DVD]
さすが、規制なしの本編です。遥の穹に対して想っていたこと、穹の兄としてではなく一人の異性として想い(ヨスガ)が押さえきれなくなり、一線を越えてしまうまでが多少強引ですが、描かれています。12話では短すぎるので、穹のその後を描く穹アフターや委員長の話をOVAで出してほしいです。でもやっぱり最後まで穹は可愛すぎでした。是非お勧めします。