ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 オリジナルサウンドトラック SPECIAL EDITION
ビデオやDVDなんて無かったころ、
映画小僧達はサウンドトラック
によって、場面場面を脳内補完
するしかありませんでした。
今はみんな恵まれた環境ですが、
すいません、今回の「破」は
DVD発売までまてません。
ですので、昔の自分のような
気持ちで今回のサントラを
ヘヴィーローテーションで
聞きまくっています。
どれもこれも血沸き肉踊る楽曲で
もう最高です。
残念なのは「Beautiful World」
が入っていないことくらいです。
DVD発売までは、これで「破」の
感慨にふけるつもりです。
smile
初めてこの方の演奏を聴きました。
世界が認める銘CDになるかどうかはわかりませんが、
ご本人の奏でる柔らかな音色がとても気に入りました。
選曲がご本人の特徴をよく引き出しているのでしょうね。
休日に部屋の窓を開けて、広い空を流れる雲を見ながら聞いています。
自然と溶け込むような雰囲気に、陶酔しています。
第3作 男はつらいよ フーテンの寅 HDリマスター版 [DVD]
「男はつらいよ」で森崎東の貢献度は正当に評価されていない。山田洋次自身は当初から「男はつらいよ」は森崎と二人で作り出したキャラクターと言い続けている。テレビ版の「男はつらいよ」は森崎脚本がかなりあったらしい。それに映画版第一作の脚本は森崎が中心になって書いた。最初はクレジットも「森崎東・山田洋次」の順番だったのだ(公開当時のポスターや『シナリオ』に出た脚本の順番は森崎が筆頭者になっている。後になって松竹で順番を入れ変えたらしい)。森崎脚本の特徴は寅さんのストレンジャー性がきわだっているところにある。それとバーレスクな展開。
この第3作では珍しく寅さんが見合いをするが、その相手が春川ますみ(森崎ワールドの女優さんである)。寅さんは彼女の身の上話に同情してしまい、春川夫婦のよりを戻すのに奔走。とうとうとらやの人を巻き込んで夫婦の再出発を祝う羽目になってしまう。さあ、そうなるとおさまらないのはおいちゃん達だ。甥の寅のためだと思うから努力したのに、なんで他人の再婚を祝わなけれなならないのか。寅と甥ちゃん(森川信)はシリーズの歴史に残る大喧嘩をする。この作品の森川信の「間=ま」は絶品である。ふてくされて飛び出した寅さんは旅の空。
そこで旅館の女将(新珠三千代)に惚れてしまうのだが、実は新珠には交際しているひとがいる。それに気付かず一方的に想いを寄せる寅さんを「バカはおまえだよ」と指摘するのが旅館の使用人の左卜全。この作品の左卜全のボケぶりも絶品である。温泉町で寅さんは若い恋人、香山美子と河原崎健三(森崎監督『喜劇・女は度胸』で主演)に恋愛指南をするものの、思い通りには進まない。寅さんが「庶民の暮らしは貧しいなあ」と形容する、うらぶれた漁村の香山の父親役が花沢徳衛で、もうヨイヨイの老人なのだが、寅は「ご同業さんですね」ときっちり仁義を切る場面が泣かせる。
自分が勝手に惚れて迷惑だったと反省した寅さんは障子越しに女将にわびるが、その言葉を身をひそめて聞いていたのは旅館の使用人たち(左卜全、野村昭子、佐々木梨里)という「ハズレ放し」のカッコ悪い寅さん。暮れの大晦日のテレビ中継でもアピールする寅さんだったが、女将はテレビを見ていなかった。それでも明るく啖呵バイに精を出す寅さんでエンド。
最初は脚本も森崎さんが書いたが過激すぎてボツ(それはどうも改作されて森崎脚本・監督の『生まれ変わった為五郎』になったらしい)。山田洋次脚本で森崎監督が演出した「寅さん」第3作はテレビ版のキャラクターを反映した寅の「フーテン性」がきわだつ作品になった。この第3作が異色にみえるのはその後の寅さんのキャラクターでは寅のフーテン性、ストレンジャー性が薄まるからである。
おやじの挑戦 男の右脳ドリル
面白いソフトだと思います。知能の検査に使われるような問題(図形、判断推理など)が150問収録されています。制限時間をPCが管理してくれること、正当数に応じた「右脳IQ値」が算出されることなど、やる気を持続させるための仕掛けも豊富です。
しかし、気になることもあります。このソフトの、内容ではなく、その説明についてです。より具体的には、「操作説明」で用いられている「直感脳」および「ひらめき脳」という言葉についてです。「操作説明」(というか監修者の理論)においては、素早く解答を出すことが、「右脳」を活性化する―つまりこのソフトの使用から得られる効用を得る―うえで、ともかく必須である、そのような趣旨の説明がなされているのです。そして、「時間をかければかけるほど」、「左脳」の働きが現れてしまう、とも。
しかし、そのような説明は、それを読む人に、まったく何の根拠なしに、当て勘やヤマ勘で問題を解くことがこのソフトによる訓練なのか、という誤解を与えはしないでしょうか。
このソフトの監修者の説明は、「時間をかけて考えること」と「左脳」を使うこと、すなわち論理を使うこと、とを同一視しており、さらにそれと「右脳」を使わないこと、とを同一視しているようなのです。
そこで、私の勝手な解釈を述べますと、監修者の説明にいう「左脳」と「右脳」、その対立の構図によって説明される内容は、「頭でわかる」ことと「体で覚える」ことの違い、等と一般的に表現される内容にきわめて近いと思います。
この右脳ドリルの解き方、すなわち右脳の鍛え方も「体で覚える」ものであって、慣れてくればスピードアップするほど効果が上がるものでしょうが、どのように思考を働かせるべきかがつかめてくるまでは、ゆっくり取り組む以外にないものと思います。
ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)
第一部、第二部と物語の中を流されてきて、
たどりついた第三部。
暗闇に包まれていた部分が、だんだんと全貌が見えてきます。
ラストは、思わず”ほぅっ”と息をついてしまう感じ。
いや、不満のため息じゃないです。
”川の流れにのってゆるやかに下ってきて、
はじめは周りを木や岩に囲まれていてよく見えなかったのが、
下流にくるにつれて周りが開けて見えてきて、
最後は広く穏やかな海に帰ってきた。”
とこんな印象です、この小説、私の中では。
何度か登場した、戦時中のエピソードが、
生々しく、戦争の悲惨さを切々と訴えてきます。
どちらかというと感情のない淡々とした描写だけれど、
強く心に訴えてきます。
読後、あたたかいなにかが、心に残る感じがします。