生き物たちは3/4が好き 多様な生物界を支配する単純な法則
細々とした事例の羅列に陥りがちな生態学の分野で、統一性や法則性を見出そうとする研究者にスポットライトを当てた本。
演繹的アプローチで眺める生態学の分野は、宇宙科学のような数の神秘に満ちています。
科学エッセイとして読むも良し、数学的に理解しながらじっくり読むも良し。
世界の測量 ガウスとフンボルトの物語
今までドイツ文学作品には手を出したことが無かったのですが、
新聞の書評で面白いとベタ褒めの記事を見て購入してみました。
購入前は少し理系よりなのかな?っと心配したのですが
偉人伝のような感覚で読める冒険小説でした。
最初国内文芸書と同じ感覚で読むと読みにくかったのですが、
3章のフンボルトの少年期の話が始まることから一気に面白くなってきます。
地理学者・探検家であるフンボルト、数学・物理学者であるガウス。
片方は様々な国々を自身の足で歩み、世界を測量し、
片方は一つの土地に留まり、数式で世界を測量し続ける。
まったく違う人生を歩んできた二人の道が時折交錯してく模様は、
気がつけば読む手が止まらなくなるほど読んでいて面白かったです。
この小説を読めたことで
日本の感覚と世界の感覚、表現法やユーモアさなどの違いを改めて実感し、
そういった観点から見ても非常に面白く興味深い作品だと思いました。
売れているのも納得の1冊でした。