楽園Le Paradis 第1号
恋愛ものの短編作品ばかりを集めたオムニバス・コミックの創刊号。
ただし、その「恋愛」のかたちは、ストレート、百合、初々しい学生もの、エロいもの、BL、近親、フェチなど様々で
(相対的にはストレートと百合が多いけど)、また男性向け、女性向けという垣根も意識せずに作ってあると思う。
さらに、売野機子「日曜日に自殺」のような実験的とも言える作品も載っていたりで、要するに「なんでもアリ」な雑誌なのだろう。
読み終わった後、この雑誌を作った編集者と握手したい気持ちになった。
個人的には、同人時代から好きだった売野機子と西UKOを世に送り出したというだけでも絶賛に値するんだけど。
数学ガール 下 (MFコミックス フラッパーシリーズ)
本書は「萌える数学本」としてベストセラーになっている「数学ガール」を漫画化したもので、「数学ガール 上」の続編です。原作のシーンを適宜切り取って漫画化した感じです。主な感想は「上巻」の方に記しました。この下巻を読んでも、高校時代に同級生(女子)に数学を教えていた時に感じた"甘酸っぱい気持ち"・"胸がキュンと締め付けられるような甘美な思い"が甦ってきました。(もう少し絵が綺麗だったら、という気もしなくもないですが、ストーリーにハマっているとさほど気にならないかな。ただ 小さく薄めの手書き文字が少し見づらいのが難点...) 上下巻ともメディアファクトリーのサイトで少し"試し読み"できますので、ご興味のある方はそちらもチェックしてみて下さい。
本書で扱われてる数学のレベルは上巻よりは高度になっていますね。(母関数を用いたフィボナッチ数列の一般項・素数が無限にあることの証明) 大学受験数学のレベルは超えていますが、もし難しく感じる場合はテトラちゃんに感情移入すれば問題ない?(笑) 「本来の数学の魅力はこういう処にあるんですよ」と気付かせてくれる漫画が生み出されたという偉業に対して★5つを進呈します。本書から「数学ガール」に入って数学に興味を持った読者には原作「数学ガール」「数学ガール/フェルマーの最終定理」をオススメしたいです。数学に"萌え"ること請け合います。
なお「数学ガール」シリーズは"オイラー(Euler)"→"フェルマー(Fermat)"→"ゲーデル(Goedel)"と続きます。(現在、ゲーデルの不完全性定理の話題を扱った第3巻をご執筆中とのこと) これは楽しみですね! o(^-^)o
【追記】第3巻「数学ガール/ゲーデルの不完全性定理」出ました!これまた傑作です!
白衣のカノジョ 1 (ヤングジャンプコミックスBJ)
あらすじは商品の説明の欄に載っているので、そちらを参考にして下さい。
私が説明するよりはるかに分かり易いと思います。
お互い自分の気持ちに気付いている筈なのに、気付かないふりをしたり、胸に秘めてしまったり。
言葉に出しても、伝わるまでには至らない。
一巻はこのよう感じで見ているこっちがモヤモヤしてくるのですが、
不思議と不快感もなく楽しめました。
主人公達以外のキャラがほぼモブだけなのも登場人物が少なくて分かり易くまた、
不意にはいる心理描写など良い点も多いです。
この話が今後どのような展開を見せるか分かりませんが、一巻は充分面白かったです。