ときめきに死す [DVD]
森田芳光監督が亡くなったとの報に接し、脳裏をよぎったのは、何かの間違いではないのかとの思いだった。
50年生まれと言う事は自分と10歳違いだから、いかにも早すぎる。
「のようなもの」でデビュー、4作目の「家族ゲーム」でブレイクし、その後自ら“流行監督宣言”をし、ポストモダンの旗手として、有言実行の中80年代の日本映画界を席巻したのは、当時20歳代で最も日本映画を観ていた者にとっては、今も記憶に残る。
90年代に入り、ポストモダンの退潮と、森田自身その才気に翳りが出たのは否めないが、それでもコンスタントに新作を発表し続けて、日本映画界にその地位を確立させたのはさすがだった。
訃報を聞き、その作品群に触れようとまずチョイスしたのが、「家族ゲーム」の次に撮った「ときめきに死す」。
実は、今DVDは所有していたにも拘わらず、今まで一度も再生した事がなかった。
それは、公開時、森田的タッチとリズム、スタイリッシュな映像感覚を感じながらも、その“凝りよう”が如何にも過剰で自身の才気をひけらかしているよう思え、魅力を感じながらも再見する気にならなかったからだ。
でも、今回見直して感じたのは、当時のハナについた演出や台詞回しが気にならなくなり、ワンショット、ワンショットが素直に面白く観れた事だった。
“冷たい映像”に固執したとの思い通りに、全編貫かれたドライでひんやりとした感覚とスタイル。
“繊細な変態”の如きムードが充満し、ピンボール・マシンやPCの共鳴音やクルミを割る音等、効果音が静寂の中透き通っていく。
丸山健二による原作の映画化には気乗りしなかったものの、当時のスーパースター沢田研二の持ち込み企画である事に感激、自分の思い通りに撮らせてくれるならと引き受けた以上、カルトな作品を作ってやろうとの野心も好意的に感じられる。
そして、もうひとつの新鮮な発見は、公開当時は記憶に残らなかった杉浦直樹の存在。バツイチの歌舞伎町の医者だったとの経歴のみが明示された訳ありなキャラ像が魅力的で、杉浦もまた見事に演じている。
(そう言えば、俳優杉浦直樹もまた、残念ながら今年逝去された、合掌)。
自分のみならず、時代が森田の感性に追いついたかのような鑑賞感。
若くして話題を集め、我等の時代の寵児だった氏の功績を、その他の作品群で再検証したくなる衝動に駆られつつ、改めてその早すぎる死に、謹んでお悔やみを申し上げます。
生きるなんて (朝日文庫 ま 3-3)
もうタイトルからしてネガティブオーラ全開である。そして投げやりな感じが出まくっている。23歳で芥川賞を受賞し、文壇から距離をおき、長野県の山奥にひっそりと誰とも付き合わず小説を書き続けている丸山健二の人生訓。その語り口はそのへんの作家のエッセイとは一線を画している、カフェテラスでお茶してる「温泉行ってのんびりした〜い」みたいなぬるいOLなんかを後ろから釘バットで殴りつけるような、サビのきいた人生観。ネガティブというよりかは、世間の常識を真っ向から全否定し、そこに生きる活路を見出そうとする、著者の姿勢は非常にストイックで、するどい。というか怖い。
まず学校はクソ。学校から学べるものなんか、ほとんど何もない。学校はそもそも生徒のためにあるんじゃなくて国のためにある。良き労働者の育成。国に対して羊のようにおとなしい庶民を国民として洗脳するためにあるだけ。学ぶべきことは学校の外にある。だから学校なんてたいしたもんじゃない。行かなくてもいい。仕事に意味を求めるな、生きるために働け、それが嫌なら自営業だ、自分の道を行け、だが一寸先は闇だぞ、覚悟しとけ。親はクソだ。親なんて子供を作った以上のなんの価値もない。血のつながり? 親子の絆? そんなもんくだらん。動物の親子は、お互いの人生に干渉してこないが、人間の親子は親が子を支配している。親は子供に見返りを求める怪物みたいなもんなんだから、うざくなったらさっさと捨てちしまえ。
とまぁ、こういうぐあいに毒にあふれた非常識な言葉がのってて、怖い。読んでいると、もう丸山語録が細胞膜まで染み渡ってきて、なんか読み終わったときには、顔つきまで丸山健二、口調まで丸山になっていて、しばらく丸山が身体から抜けないという怪現象が起こる。そんぐらい影響力の強すぎる本。しかし、毒をもって毒を制す、著者の辛辣な言葉を聞いていると、どこか道徳やルールから開放されるような気分がして、気持ちがいい。
最新 CMプランナー入門
CMプランナーの入門というタイトルですが
アイディア入門でもありクリエティビティ(創造性)入門
ともいえる本です。
とにかくわかりやすい!よみやすい本でした。
広告にはアイデアが必要です。
アイディアとは、何か。
また、どうやってアイデアをみつけていくのか。
「思考の道具」になりそうなキーワードを世界中の具体的な事例を使って説明してくれています。
ビジュアル的にも見やすく理解しやすかったです。
実際に普段はみることのないCMプランナーの企画コンテもあり、
制作プロセスであったり実際にどのような現場でどうような仕事をしているのか
リアルに想像できました。
CMプランナーを目指す人や広告が好きな人に本当におすすめ!な本です。
怒れ、ニッポン!
黙ってやれ。Twitter 使って宣伝ってのもエッセイの内容と逆行してると言わざるを得ない。
人を煽る前に自分が何かをやれ。偉そうなことを言うのはそれからにしろ。
追伸
茂木なんていういかさま人間と組んでいるようじゃ本物を見る眼も失ったようだ。というか
元々そんなものは持ち合わせていなかったのだろう。