親愛なる者へ
中島みゆき作品「初中期」の代表作ともいえるアルバム「親愛なる者へ」。
特に「狼になりたい」は、「中島みゆき・ディープ・ファン」を自負する人から「天才的な詩の世界」と、圧倒的な支持を得る名曲中の名曲。
その他、「タクシードライバー」「小石のように」「断崖-親愛なる者へ-」など、彼女の詩の世界をたっぷり堪能できる作品。
以外と注目されていない作品の様であるが、間違いなく彼女の代表作の1つに数えられる作品。
親愛なる者へ(紙ジャケット仕様)
本作は初期中島みゆきの最高傑作と私は思う。詞、歌とバック・バンドまたはストリングスの結合が完璧。捨て曲なしの極めつけの名盤で、どれもLP時代から耳になじんだ曲ばかり。東京で単身生活を送っていた者には胸に迫る詞や励まされる詞が聴きやすいフォーク/フォーク・ロックのサウンドで歌われ、LPを擦り切れるほど聴いた、感謝しきれない思い出の作品。今聴き直しても古さは微塵もない。曲順にコメントします。
1 彼女ならではの詩、歌を演歌っぽくドラマチックに盛り上げる。
2 アコギの(弾き語り?)フォーク調で始まり、後半バック・バンドの音とストリングスがかぶさる。詞に出てくるアローン・アゲインが時代を感じさせる。
3と4 この2曲はメドレー。本作前半のハイライト。ストリングスやバンジョーも交えたスケールの大きい展開が素晴らしい。
5 しんみりしたアコギの(弾き語り?)のフォーク調で始まり、後半オーケストラとバック・バンドの音がかぶさって盛り上がる。
6 目をさませ、つけあがるな、という詞が、日本的フォーク・ロックで歌われ、聞き辛さはない。
7 「あなた」に懇願するフォーク。ストリングスが絶妙にからまる。
8 一転して明るいリズミカルな曲
9 この初期中島みゆきを代表する超名曲は説明不要でしょう。映像が鮮明に浮かぶ詞。とてつもなく奥深い音。彼女でなければ作れない音世界が最高です。
10 ポップな曲で、途中からのテンポが上がる展開とバック・コーラスが素晴らしい。本作を締めくくるのにふさわしい佳曲。
後のライヴ盤「歌暦」で、上記6と9が選ばれたことが、本作は快心の出来であったことを物語っているでしょう。
親愛なる君へ
前作「月夜の雨」から約1年4ヶ月ぶりのニューアルバム。
リリースが少し早すぎるのではないかと思ったが、聴いてビックリ!!
かなりの名盤です。
今回は1曲、1曲が濃厚です。
羽毛田氏のアレンジも美しくてしばじゅんの美声が引き立っています。
両思い、片想い、ゆがんだ愛、無償の愛・・・。
様々な「愛の形」がこのアルバムでは表現されています。
収録曲の「愛をする人」が映画「おろち」の主題歌に決定されていますが、「椿」も映画の主題歌にピッタリな壮大な曲でオススメです。
そして「君へ」、この曲は色々な意味で衝撃的でした。
気になる方はぜひ聴いてください!!
Bedtime Music
西村由紀江さんのピアノ曲はもともと定評がありますが、その中から落ち着いたタイトル通りベットタイムに聴きたいような楽曲をうまくチョイスしたなぁ…という感じです。同日に発売されたベストアルバムでなく、曲を聴きたい場面に合わせたいという方にはいい感じに仕上がっているんじゃないでしょうか。