ラジカル・ラプソディ
World Sinfonia のメンバーによる演奏が主体ですが,曲により,Charlie Haden (Bass), Peter Erskine (Drums), Gonzalo Rubalcaba (Piano), Mino Cinelu (Perc.), Barry Miles (String Arr., Key.) らが加わっています.
ギター,アコーディオン,パーカッションなどが複雑に絡み合って奏でるラテンサウンドが印象的です.初期 World Sinfonia とは異なり,エレキギターやシンセの比重が高く,楽曲そのものの作りも含め,より情熱的でエキゾチックな感じが増しています.15. "Over The Rainbow" だけは,ストリングセクションとCharlie HadenのベースをバックにAl Di Meolaのエレキギターがメロディを紡ぐという編成ですが,これもまた非常に美しい.
Al Di Meola というと速弾きギタリストという印象が強いですが,コンポーザー/サウンドクリエイターとしても極めて独創的で素晴らしい,ということを強く感じさせる作品です.
カルメン~情熱のメロディとメランコリック・ギターの調べ~フィーチャリング・アル・ディ・メオラ [DVD]
原作を読んだことがないのですが、オペラと較べるとだいぶ内容が違います。
オペラではカルメン1人ですが、この映画でホセが殺すのは5人。
カルメンをめぐって争い、殺人を繰り返していく。
オペラではホセと闘牛士が陰と陽のキャラクターと設定され、
多情なカルメンが華やかな闘牛士に惹かれていくのは止められないと知ったホセが
去ろうとするカルメンを広場で殺しますが、この映画では逆のニュアンス。
教会でカルメンは自分からホセに近づき、キスを交わしながら殺される。
このカルメン、多情で犯罪に加担し小悪魔的ですがマリア信仰をもっていて、マリア像の前で
嘘を言ったり冒涜行為をすることを嫌う。他の男と一緒にいる現場にはちあわせになり、
傷ついた表情をするホセを嘲笑したりしない。死体を片付ける時も手伝う。
殺人を犯したホセを追っ手から逃がそうとする。他の男と情事の後でも必ずホセのもとに戻ってくる。
しかし最後の場面、カルメンは
マリア像の前で「愛していない」と(本心?)言ってもホセを突き放すことができず、
今度ばかりは悪魔的知恵で二人で逃走することもできないと悟る。
かつて「子供が欲しい?」とホセに聞いてもいるので、
屈折したものでありながら母性愛にも近いものをホセに感じていたように思います。
命を絶たれマリア像のように横たえられたカルメン。
オペラの有名な曲、「♪恋はあまのじゃく、馴らすことのできない小鳥」は、
「女と猫は呼んだ時に来ず、呼ばない時に来る」というナレーションになっています。
カルメンが求めるのは馴らすことのできない自由な愛。しかしホセを完全に失うことは死を意味した。
オペラ・ファンにも楽しめる作品です。
スーパーギター・トリオ&フレンズ [DVD]
アル・ディメオラ、ラリー・コリエル、ビリー・ラグレーンらによるアコースティック・ギター・ライブのビデオ。
本来の「スーパー・ギター・トリオ」(パコ・デ・ルシア、ジョン・マクラフリン)ではないが、あの有名な「地中海の舞踏」はもちろん、ピアソラの「タンゴ組曲」、チック・コリアの「スペイン」「ノー・ミステリー」など、オリジナルのトリオでは聴けない曲もずらり。
3人3様の個性溢れるプレイが堪能できる、超おすすめビデオです。
特に、アコギ=フォーク、カントリー、地味、軟弱(笑)などと決めつけているアナタ、絶対ブッ飛ぶこと間違いなしです。
ライヴ・アット・モントルー1986/1993 [DVD]
1986年の方は年代的にもこんなものかと思うが、1993年のLIVEはかなり興味深い。パーカションのボイスも効果的にディ、メオラのギターが冴える。彼は早弾きが注目されるが、良い曲も書くしサウンドデザインにも優れている。振り返れば音楽の求道者的な面も見えてくる。その辺はもっと評価されるべきだと思う。
ライヴ・アット・モントリオール・ジャズ・フェスティバル’88 [DVD]
ギターをギターとして弾きまくった頃の、
ディメオラの熱いライブDVD。
演奏の白眉はチック・コリアの作になる
4曲目の"Song to The Pharoah Kings".
ディメオラもさることながら、
ケイ赤城の火の吹くようなキーボードプレイは鳥肌ものです。
絶対おすすめの一枚