家族依存症 (新潮文庫)
一気に読みました。っていうか読めました。いや、読まずにいられませんでした。
以前から「斉藤学」さんの言葉に共感を強く感じていたので、とりあえず購入。
日本では先進諸外国から遅れがちな「精神分野」。
心の問題を薬で治せると信じている医者の方にも読んで欲しいと
著者自身が訴えかけています。
AC、依存症、境界性人格障害etc…それらが生まれる現場は
私達があたりまえのように慣れ親しんだ風景に存在するのだということを、
今更ながら気付かされました。
腐った根の上に繁る、枯れた葉だけを切り取るようなことの繰り返しが
終わることのないACなどの連鎖に繋がるのだということ。
知って無駄になるような内容では無いと思います。
沢山の症例を交えて、自助グループや関連施設などの連絡先も載っています。
ACと聞いて「なんでもACのせいにしやがって」という方ももちろんおられるでしょうし、ACという事自体の否定もあるでしょう。
でもACとは「自分はACなんだ」と自覚をしてからACと定義される代物です。
ACの概念が無く、なんとなく人間関係や社会に適合できない生きづらさを感じている方には必読。
自分はACでは無かった、と安心したい方にもオススメできる本だと思っています。
ステップあやの食べて痩せた!最後のダイエット
ダイエット依存・過剰運動・過食症・拒食症に悩んでいる方や病気で悩んでいる方のご家族など、病気のことを知りたい方、克服したい方に読んでいただきたい本です。
ダイエット依存や摂食障害に悩まれてる方の多くは真面目で自分に厳しく、自分を責めてしまう性格の方が多いように思います。でも、病気が故に自分でもコントロールできない事がたくさんあります。これはワガママ?病気だから?というような悩みがたくさんあると思います。
この本には病気を理解できる内容がたくさん書かれています。
著者自身18年間病気に苦しみ、克服された方です。
経験に基づいて、
・痩せること
・食べること
・運動のこと
・心の声を聞くこと
・体の声を聞くこと
などが書いてあります。
10年前からのあやさんの写真とその時の病状が書いてあるページもあります。
昨日あやさんの講習会に行ってきたのですが、摂食障害に苦しんでいた方とは思えないとても素敵な方でした。丁寧に温かく、参加された皆さんの悩みを聞いていらっしゃいました。
ステップあやさんのブログもオススメです。http//ameblo.jp/step-aya/
私は「うつ依存症」の女 [DVD]
映画化されたことは知っていましたが、観るのを躊躇していました。
タイプライターで心理告白をしてはいますが、やはり映画ではエピソードがメイン。
いきなり泣き出す、ヒステリーを起こす、その場を出て行くの繰り返しで病気の症状の描写ばかりの
ような印象です。原作ではリジーは襲ってくる情緒不安定と戦うため、猛烈に勉強をする。
レポート(原稿)を書くという生産的なことをしている時、自分の感情をなんとかコントロールできるから
(旨)といいます。
「ハーバードに入ればなんとかなる」「勉強している時はなんとか保てる」
病気の脅威と戦う自衛手段(逃げの手段)がリジーには孤独な勉学だった。
その結果が優秀な成績だったのです。
映画では母親との心理的確執ばかり。母親も少し情緒不安定。
しかし強盗に襲われたことをきっかけに母親が娘の人生を娘のものと理解する。
唐突で少し違う話のように思えます。BFとのエピソードも、彼が少しの間自分から離れるという
ことがリジーには耐え難い不安を与える。彼女自身ばかばかしく思うほど感情がコントロールできない。
肉体関係もリジーは相手の心を引き止める手段として使う。この病気は強烈な不安を症状とし、結果
おろかな行動をさせて人間関係を破壊するということが分ります。
原作は彼女が病気と戦う内容であり、映画は彼女と周辺の人間ドラマといったかんじです。
リジーの心理を理解したいのであれば原作のほうをお勧めします。
焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識
11歳の娘がクラス替えをきっかけに拒食症になりました。
生命の危険があった時期もありましたが、周囲の協力のもと、
なんとか回復期にさしかかりましたが、あと一歩のところの状態が
1年近く続いたため、もう少し何とかしてあげられないものかと、
前々からいいなと思っていた著者のこの最新本を購入しました。
これまでたくさんの拒食症についての本を読みましたが
どれもいまひとつピンときませんでした。
他人のことが書いてあるような印象でした。
しかしながら、これはまさに、自分の子のことが書いてある!!と思え、
どうして発症したのか、これからどうしたらいいのかがわかり、
私にとってはとても納得ができるもので、大変すっきりしました。
購入して本当によかったです。
〈からだ〉に聞いて食べなさい―もっと自分を愛してあげるために
○食に関する問題を抱えている人は、意外と多いのではないでしょうか?
例えば、メタボ体型を改善したい、過食症や拒食症で悩んでいる、
ダイエットでリバウンドしてしまった……など。
リズ・ブルボーさんは、『<からだ>に聞いて食べなさい』と本著で訴えています。
つまり、自分の食べ方を通して、その奥にある内面で何が起こっているかを理解し、
根本的な改善をしていこう――と提案しています。
○「あらゆる身体的反応は、心理的反応のあらわれである」という考え方が、根底にあります。
自分を無意識のうちに支配しコントロールしている「五つの傷」が、
食生活にどんな影響を与えているかを、具体例を挙げながら分析しています。
さらに、「自分のからだが本当に望んでいるもの」を感じ取りにくくしている
「六つの動機」と「思い込み」を指摘しています。
○読み進んでいくと、食生活に関する根本的な原因に行き当たり、
改善するように書かれています。
そして最後に、「食事の日記」を3ヶ月続けてみようというエクササイズを
具体的に提案し、拡大コピーして使えるようになっています。
○小さな章に分けて書かれていて、読みやすいです。
同著者の『五つの傷』を先に読んでから、本著を読むと理解がより深まると思います。