毎日、お茶 The Green Tea Book
静岡に住む友達が萌黄色に輝くお茶の新芽を見ないかと誘ってくれたので、お茶のことを勉強しようとアマゾンで探してこの本を購入した。 結論から言うと、知りたかったことはほぼ網羅されていた。緑茶の作り方、緑茶の種類、種類に依った淹れ方。コンパクトに要領良く知識を得ることができた。 ただ、この本はそれだけでは終わらない+αを持っていた。 手に取ってまず目にとまるのは、美しい写真の数々と可愛らしいいくつものイラスト。そしてそれらがふんだんに取られた白い余白のせいか、控えめなのである。また、茶器からお茶菓子・お茶料理と題材が広範囲なのに、ごく厳選されたものだけを取り上げているせいか、何とも深みと味わいがある。文章もまたいい。「大きめの急須で淹れた熱いほうじ茶を、おせんべいといっしょに、ふうふういいながらどうぞ。」愛情ある茶目っ気が感じられる。何故か全ての文章に英分が添えられているのであるが、訳文にもやさしいひねりがあり、例えばお茶を長く保存するとかび(Mold)がつくという紹介では、「Do not keep too long or it will attract mold」といった調子。 そう、ここではたと気づいたことがある。この本は上質のお茶を楽しませて頂いたような、静かな満足の読後感なのだ。