鈴木先生 9 (アクションコミックス)
お世辞にも上手とは言えない絵と教育漫画ということから敬遠していた作品ですが、一巻から今巻までを読み進めてみてその評価は一変しました。
語られる内容は教育の範囲に止まらず人の価値観、倫理観、人間関係の複雑性など深いテーマを扱っていてどのテーマも誰でも一度は聞いたこと、考えたことがあるようなものばかりです。
それ故に誰もがそれに対する答えや考えを既に持っていると思います。
しかし、この作品を読んでみて今まで私が考えていたものとは違う考え方や価値観が多くみられました。
最初は所々の内容の意味を理解することが出来ませんでしたが何度か読み返し、考えることで理解することが出来ました。
『なるほど』と思わせる考えや『それは違う』と思わせる考えまで様々な考え方があり、読み進める程にのめり込んでいきました。
この作品は字数も多いし、絵もあまり上手とは言えない。
しかし、それ以上に深く考えさせられる作品です。
ただ内容を受動的に受け入れさせるのではなく読者に考えさせるという作者の意図が感じられます。
個人的にはとても有意義な内容ですので☆5つです。
鈴木先生(7) (アクションコミックス)
冒頭のカーベーの発言から否応無しにぐっと引き込まれる第7巻。
鈴木裁判もいよいよ結末を迎える。
しかし鈴木先生って人は本当に不思議だ。
人生が10回あれば一度は鈴木さんのような中学教師になってみたい気もする。
人生が10回あれば一度くらいは鈴木先生のような先生の教え子になってみたい気もする。
「人生が10回あれば」という理由は、興味はあるがフルコミットで参加者になるのはめんどくさそうだから。
正直きついでしょ?
『鈴木先生』は単行本読者として携わるのが一度しか人生がない僕にはちょうど良い。
鈴木先生 8 (アクションコミックス)
今巻は、鈴木先生が乗り移った校長先生が大演説を繰り広げる。
授業ストライキを敢行していた足子センセイが
精神崩壊寸前状態のため、学校側が出勤をSTOP。
それを「横暴」ととらえた生徒たちをなだめるため
学校側として、朝礼の時間を使って
校長先生が説明会を開く。
おそろしく緊迫した学校側と生徒たちとの均衡。
かつての学生運動も、このぐらい意見をぶつけあっていたのだろうか。
生徒たち自身が自分で考え、自分で戦うという姿勢を持っていれば
現在の世の中にはびこる、いわゆる「モンスターペアレント」という存在も
出る幕がないのでは?と思わせる。
それだけしっかりした子供が減ったということか・・・。
毎度のことながら、台詞の文字数が多いので
一気読みするには、こちらもかなりの体力が要ります。
まるで、作品中の討論に実際に参加しているかのように。
今巻は、脇役が大活躍です。
鈴木先生の熱ウザな感じは少なめw
鈴木先生 5 (アクションコミックス)
@掃除当番
この話は凄いです。4巻が鈴木式性教育の巻でやたらハイテンションだったので・・
久々に1巻の1〜2話あたりの思わず「ドキッ」とさせる話が戻ってきたかなぁという感じ。
「学校は一見何の問題もないような子供たちの心の磨耗によって支えられている」
こんな感じの言葉があるんですが、このセリフは5巻で1番ハッとさせられました。
「みんなさぼってるのになんで自分だけやらなければならないんだ」
これは非常に深いテーマだと思います。スレることなく生きてきた人なら
人生に一度はこのように感じたことがあるはず。
本当に壮絶な己との闘いです。凄まじすぎる。描き方も(笑
@家庭訪問
これは@掃除当番と@夏祭りの間のブレイクタイム。
小川はカミサマだったぁー!の巻。笑
あと麻美さんのまさかの体質(?)が明らかになります。
@夏祭り
4巻好きにはたまらないのでは。
これはもう青春まっさかりといった感じの話です。いやぁあんな時代もあったなと・・
夏祭りでは本当に生徒のいろんな実態がわかっちゃうので
見回りの先生は大変ですなぁ・・。
そしてラストは麻美さんご懐妊!!!!
早速両家のご両親にごあいさつ。トントンと結婚ですが・・・さすがぬかりのない男鈴木・・
次巻は鈴木先生のできちゃった結婚について
またまたクラスが大騒ぎのようで。
(特に夏祭りで中村と小川がつわり麻美さんと鈴木先生の2Sを目撃!
これはショックだったろうなぁ・・特に中村は;;)
がんばれ鈴木先生!
鈴木先生 (1) (ACTION COMICS)
この漫画は良質な笑いの漫画です。
もちろんストーリーは真剣な教育者と生徒との関係で進むのですが、
作者が細部に仕掛けた笑いのギミック、セリフから、ニヤリと笑う漫画です。
真剣な考えさせる教育物として読んでいるレビューが多いみたいでちょっと驚きです。
真剣な顔でふざけてるような素敵な漫画です。
ギャグ漫画としても、ストーリー漫画としても飽きさせないおもしろい作品です。