ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない [DVD]
題名が長いですね。「ブラック会社」と略せばいいのでしょうか?
(「マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺」も長いですか・・・)
内容ですが
・華やかに見えるIT業界の底辺の苦労
・学歴、経歴、ニート問題
が面白くストーリーに盛り込まれています。 高校を中退し、10年間働いていない主人公が国家資格である「情報処理技術者」を得て、三次下請けのソフトハウスへ入社するという話です。
漫画的な面白さを出すために極端にステレオタイプ化された個性的なキャラクターが登場します
・現場を全く知らない社長
・高圧的なリーダーとそれを盲目的に信じる人
・賢くいい人
・技術力は高いが、良いように使われてしまう損な人
・人を見て経費を認めない経理担当者
・有名企業からすべてが出来ると勘違いして転職してくる若い社員
また、理不尽な低コスト、短納期を求める顧客などが登場します。 この会社で「もう後はない」と考え仕事とキャリアアップを行う中で、精神的にダメージを受けていきます。
極端なストーリーと人物のステレオタイプ化で非常に分かりやすく面白い話ですが、これをIT業界のすべてだと思わずに見ることをお勧めします。
最後に(IT業界を知らない人へ)
開発時の演出で画面に向かってプログラムを入力しているシーンが多くありますが、実際はドキュメント作成と呼ばれる文書作業とテスト作業が多くをしめます。 また、テストも「登録完了」とか「システムエラー」とダイアログが出る分かりやすい演出が映画上ではされていますが、実際はもっとめんどくさい作業です。 一般向けの映画なので分かりやすいプログラム入力にウエイトを置いています。
世界業界マップ2012
まず、このムックが出版されただけでも貴重だ。「〜2011」版でも書いたのだが、現代の産業界を語るには、世界という視点から見ない限り意味はない。そういう意味で世界企業を俯瞰できるこの貴重なムックには★5つをつけた。
さて、2011年版から2012年版に移る中、どんどん日本企業の影は薄くなっていく。かつては日本のお家芸ともいえた電機、自動車業界でも、韓国・中国勢がその勢力を増している。さらにはすっかり衰退したと思っていたアメリカもITを中心に復活を遂げ、自動車業界ですら再建を果たしつつあるビッグ3が、急速にその存在感を増している。
経済大国・・、いや「かつての」経済大国日本はどこに流れていくのだろうか。
社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由
後半の加速して転落していく様子が、肌に突き刺さるようでリアルだ。
貸し渋りと返済を迫る銀行とのやり取りや、倒産の危機にある社内の混乱ぶりなど、ぞっとする様子が手に取るように伝わってくる。
一転、終盤の破産宣告の法廷での様子はさびしい。
特にラストの会社の同胞達の近況や、父への感謝の一言など、なんとも言えぬ哀愁が漂う。
失敗の原因はやはり、経営者として資金運用が放漫過ぎたせいだろう。
しかし、経営者としての才覚は不足していたかも知れないが、文筆家としての才覚は相当なものがある。
文章がうまくて読み易いし、面白い。
かなり頭のよい人物であることをうかがわせる。
著者は同様の素材で複数の本を書き起こしているが、内容はほぼ同じ。
読み比べたが、やはり最初のこれが一番率直な感情が出ていて、一番面白かった。
起業家を目指す人にはぜひ読んでほしい一作。
「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方
気楽に読んでいたつもりが、電車の中で感動して涙が出てきました。
駒崎さんの生き方が共感を生んで、多くの人が手を差し伸べたからこそ
、やりたいことが実現に向かって進みはじめたんだなと感じました。
フローレンスの活動履歴だけでなく、現在の社会起業家情勢およびそれを
取り巻く社会環境も面白く理解できました。中々こういう本は無いと思いま
す。
私個人のBook of the Yearに入る一冊です。
日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方
全社にTwitterを導入し、積極的につぶやいて社員と自身の考え方を共有している会社の社長が書いた本。
Twitterをどう経営に生かしているのか?そもそも会社経営に活かせるのか?という疑問と共に読み始めた前著で、目からうろこが落ちる思いだったので今回も発売と同時にGET。今回のテーマは「社員満足度」。
装丁、タイトル、帯にも神田昌典氏の影響が垣間見えるが、読み進めてみると、「電話がない」「しないことを決める」「お客様は神様ではない」など、「非常識」な成功法則の影響が随所にうかがえる。
株主満足を最大化する米国式の経営とは対極の、「従業員を大切にしてその能力を最大限に引き出す経営」を実践するための考え方、戦略、ITを使った実践方法が解説されており、今回も前著に続いて「目からウロコ」の発見多し。
自らの失敗経験から社員満足度を高めることに行き着いたということだが、これは「企業の価値を人間に置く」渋沢栄一以降の日本的経営の原点ではないだろうか?今後予想する大混迷の時代、この日本的経営がまた脚光を浴びるだろうというのは言いすぎだろうか?
この本を読んで、「サークルの乗り」とか「こんなこと、ウチの会社ではできない」という意見も結構あるかと思う。そうしたご意見は、自分の現状と比較してのことだと思われるが、ECStudioは、これまでの「一般的な」会社の延長上にはなく、Try&Errorのサイクルを何回も回しながら新しい潮流を自ら起こしてきているものと私は考える。
今後自分が進むべき道を考える時、大いに参考になる本である。