ブラック・レイン オリジナル・サウンドトラック
まず1曲目は最初デビッドボウイの声かと思いましたがボウイの旧友イギーポップでした(笑)
6曲目は渋い歌声のグレッグオールマンですがこれがズシーンと心に響く超名曲です、7から10曲目まではハンスの天才的な音作りが聴かれます、特にラストの10曲目は痺れます、映画での感動的なマイケルダグラスと高倉健の別れのシーンを思い浮かべますが、このラストの1曲だけでも買う価値はあります。
コンプリート・アルファ・イヤーズ
仁の歌声は時に力強く、時にガラスの様に繊細で好きだ。その歌声の中に溢れてる物は聴く人の心を切なくも優しくさせる。「冷たいままで」における歌声はピカイチ!潮の様な強弱の満ち引きがいい。彼女とかと聴くよりも、これは一人で聴いてみて、自分の心と静かに向き合ってみましょう。
インテリジェンス 武器なき戦争 (幻冬舎新書)
NHKワシントン特派員を経験し、退職後小説家・外交ジャーナリストとして活躍中の手嶋龍一氏と、「外務省のラスプーチン」と呼ばれた佐藤優氏の対談録であるが、通常の対談録以上に楽しめる。
新聞や雑誌に、整理した形、細かく文脈を分析された形で掲載されない情報が如何に多いか、またそれらの情報の意味を見極め、どのように分析するべきかの考え方が本書の中で随所に垣間見られる点が非常に興味深い。
特にアンドロポフ大統領死去の情報を世界に先駆けて入手したソ連の日本大使館、第一湾岸戦争時にイラクとイランの関係の変化にいち早く気付いたテヘランの日本大使館のくだりはリアルで迫力のある部分である。
インターネットで単なる情報、活字にされた情報の入手は誰にでも出来るようにはなったものの、本当に世界を揺るがすような情報(インテリジェンス)の入手には金も掛かるし、スパイ映画さながらのリスクも付きまとうのであろう。日本は軍事大国になることが出来ないとすれば、インテリジェンス大国になるべく、この分野により多くの力を注ぐことも必要とされるのではないかと考えさせる一冊である。
解析序説 (ちくま学芸文庫)
もう微積なんて忘れてしまったが…という方が居られたとする。さらにその方がひょんなことからもう一度微積をやってみようかな、という気になったとしよう。本書はそのような方に是非お勧めしたい一冊なのである。
実数論から始まるガッチリとした微積分をやるというのも一つの道であるが、むしろその使われ方を通じて微積分を理解したいと思っている方もいらっしゃるだろう。本書はそのような要望に応える。特に経済学部での講義が元になっているだけに、多くの例や演習問題が経済学等で扱われる社会現象から題材を採られている。だがそのような例を用いているとは言え、本書は現象のモデルを立て、それを微積分を用いて解析し、将来の予言を行うという近代科学の精神を同時に説いている書物なのだ。
例えば本書の第5章の冒頭、微分方程式の初期値問題を解く3つのステップが次の簡潔な言葉で表現されている。(i)始めはこうだった、(ii)今はこうである、(iii)将来はこうなるだろう。この言葉は微分方程式の考え方を表現する言葉として実に警抜なものだと思う。
一変数関数に題材は限られているとはいえ微積分の基本事項の解説は詳しい。特に解析学で重要となる近似の考え方は様々な例を用い計算まで含めて述べられている。また差分法を述べた第2章の中に補間法の説明が詳しくなされているのも嬉しい。微分・積分法と差分・和分法を同じウエイトで述べているのも他書に無い本書の特徴であろう。さらに、第3章の初等関数を述べた章では、1/xの不定積分で対数関数を定義しその逆関数として指数関数を定義する方法が丁寧に述べられている。お話だけでは無く計算まできっちり書かれた、3名の数学者の手による大変な労作であると思う。森毅「現代の古典解析」及び山口昌哉「数学がわかるということ」と併読されるならば微積分学に対して理論・応用の両面からより深い理解が得られるだろう。多くの方にお勧めできる、とても読み応えのある書物である。