ちあきなおみ全曲集
収録曲中唯一のシングルB面曲「口紅えれじい」以外はすべてシングルA面曲として発売された曲ばかり。「矢切の渡し」は細川たかしのヒットで有名だが実はオリジナルはちあきなおみ。情感を込めて男女のやり取りを演じ分けて歌う様は見事。1976年に発表された当時は「酒場川」のB面だったが1982年にA面曲として再発売されたそうだ。
この1枚でコロムビア時代に歌ったいろいろなジャンルのシングル曲を知ることができる。「四つのお願い」「喝采」に代表されるポップス歌謡、船村徹が提供した演歌作品(「さだめ川」など)、さらには中島みゆきが提供した作品(ルージュ)や友川かずきが提供した(「夜へ急ぐ人」)ニューミュージック系作品らが混在し、しかし違和感なく聞かせるのがちあきなおみの真骨頂。
朝日のあたる家〈5〉 (角川ルビー文庫)
良と透のシリーズがついに完結した。
このシリーズが完結するのに17年の歳月が流れている。私はその歳月の間に、このシリーズがこんな形で完結するなんて夢にも思っていなかった。
そもそも完結する日がくるなんて信じられなかった。
本を手にしてからも「完結」と言う言葉が何だか嘘のようで、しばらく読む気がしなかった。
正直言ってこのシリーズは読むのが怖い。
何処までも何処までも出口の見えない深い穴に堕ちて行きそうで不安になる。
それが今、こんなにも読者をあっと驚かすような形で終わった。
このシリーズの完結によって、私は栗本薫と言う作家の奥深さを再認識した。
ちあきなおみ VIRTUAL CONCERT 2003 朝日のあたる家
所属レコード会社の方針もあってか「ちあきなおみ」は私の苦手な歌手の1人で
した。しかし、彼女の特集を組んだテレビ番組をきっかけとして、拙宅でも再評
価の動きがあり、普段は音楽の好みの異なる私たち夫婦の合意をみて購入した
のがこのCDでした。
正直参りました。これだけの歌唱力と表現力を持った歌い手が現在何人いるでし
ょう。しかも、流派にこだわって山を見ない、偏狭なセクト主義(彼女が現役だ
った頃の私もそうでしたが)とは全く無縁に様々なジャンルの歌を歌いこなす彼
女は、まさしく不世出の歌い手であったことがこのCDからも良くわかります。タ
イトル浅川マキ訳詞「朝日のあたる家」にしても、河島英五「酒と泪と男と女」
にしても、ちあきなおみの世界に見事に取り込み昇華しています。
大全集~黄昏のビギン~
もともと、ちあきなおみの存在は知っていたけれど、歌はというと「喝采」や「四つのお願い」など、ヒットした曲を数曲知っているだけの私でした。いわば一般的な「好きでも嫌いでもない」歌手の一人でした。
半年ほど前、いつものようにYou Tube でサーフィンしていると、関連リストの中にちあきなおみの「紅とんぼ」の映像があり、何気なくクリックして見たところ、一瞬にして彼女の歌う表情に引き込まれました。
「こんな凄い歌手だったんだ」
それからと言うもの、You Tubeのサーフィンの中心はちあきなおみになりました。また、ちあきなおみという歌手の、これほどまでの高評価にも驚きでした。
近くのCDショップへアルバムを探しに行くと、唯一この「大全集〜黄昏のビギン」が置いてあり、早速手にしました。
ちあきなおみの凄さは、聞くたびにドンドン好きな曲が増えていくことです。
最初の目当ては「紅とんぼ」。彼女にしか表現できない“愛”と“せつなさ”がこの曲にはあります。他の色々な歌手がカバーしていますが、歌としては別次元の薄っぺらいものに感じ、それが余計にちあきなおみという歌手の凄さを引き立たせてくれます。
次に好きになったのは「役者」。映像で見ると、同じ役者でも1番、2番、3番すべてで違う役者を演じているように見えます。
その後、聞くたびに好きになっていった曲、つまり特に私のおすすめする曲は「秘恋」「ひとりしずか」「昭和えれじい」「泣かせるぜ」「雨の街角」などです。
自分の思った通りの声を自在に出せるのではと思わせる、数少ない本物のプロの歌手です。
朝日のあたる家〈1〉 (角川ルビー文庫)
今のように、BL系ややおいが商業ベースにのってなかった頃読んだ栗本薫の「翼あるもの」上下巻は、衝撃をうけました。GSグループレックスのヴォーカリストで、美形で歌の才能もあり、バンドのメンバーたちにも慕われている今西良のストーリーが、上巻で、そのグループを脱退して、今は男娼として、今西良に憎しみを抱いている、元メンバーの森田透のストーリーが下巻です。
何と言っても魅力的なのは、森田透で、今西良に対しての愛憎なかばした気持ちと、森田透と慕ってくれる俳優の巽。
その今西良と森田透が数年ぶりに出逢って、とりとめのないストーリーが描かれているのがこの「朝日のあたる家」1〜5巻なのです。2人のファンには、とても嬉しい事で、ただただ、2人に再び出会えた事が嬉しいシリーズ本なのです。
もし関心をもたれた方は、やはり「翼あるもの」上下巻から読まれるのが良いと思います。
ただ昔のJUNEなので、エロを求める方には、物足りないと思います。
あと、この2人にはモデルがあって、関西出身のアイドル系のGSグループの元メンバーの2人です。どちらのキャラクターが好きと言われれば、わたしは、繊細なのに意地っ張りの森田透が好きでした。