VibrationX―白鳥さくらTHE 1st.写真集
白鳥さくらと言うと、巨乳だとかのイメージが先行しがちで、写真集もそれを強調するのがチープな作りなのでしょうが、これはちょっと違います。彼女の素の姿が透けて見える写真が多いです。
勿論、彼女の裸は充分に溢れています。しかし、その一枚一枚に普通の女の子の可愛さがこぼれそうなほどたくさんあります。非常に日常的な親近感が感じられて、後味がとてもいいです。何か特別な想いではなく、白鳥さくらという一人の女性が近くなったように感じます。
プロデューサーの意図がどこにあるのか知りませんが、ファンとして彼女の魅力をますます感じる、というのは私としては良い写真集だと思います。
AVに出ていても一歩外に出れば普通の人、それをよく感じさせる写真集です。ファンでも、ファンでなくても、かって損は無いと思います
KOYANAGI the Covers’PRODUCT 1
超スタンダードばかり!かなり彼女の声を聴くことをフィーチャーした作品ですね。というのも、このスタンダードのカバーって上手さしか求められないから、高難易度の試みなわけですよね。そこにはまた、スタンダードだからこそ持つ曲の味わい深さも求められ、それを表現しないといけない。
しかし、彼女の歌唱力には一般的な先入観「上手い」だけじゃない、歌を「奏でる心」がちゃんとあるから、感情は技術を裏づけにし、非常に心地よく自由に歌っています。だから、この音たちは小柳ゆきの音楽の効用を最大値で発揮していると思いますね。「Without You」は期待度に対し120%の結果で応えてくれています。
おまけに英語の発音が完璧で洋楽女性シンガーといわれても、そうだろうなと思います。母音の音が太くていいですね!(日本人が歌うといつも母音が弱いから音が鳴らせない例が多いんです)
「WHO'S CRYING NOW」は彼女にぴったり。一方「CRY ME A RIVER」「MANDY」なんて、高音の小柳だと思われてる世間へいい裏切り方をしています。
フィルム・ノアール~銀幕への想い
「フィルム・ノワール」というのは、元来は、1940年代から50年代にかけてヌーヴェル・ヴァーグの監督達が製作したハリウッドの犯罪映画のことだそうですが、この言葉は当時の文化・社会に関連する様々な局面で広く使われているように感じます。この「フィルム・ノワール」をテーマにして作られたCDで、単なるスタンダード曲集ではないユニークな良さがあります。日本でもよく知られている「リリーマルレーン」が収められているのも、この時代の雰囲気を表す曲だからでしょう。歌や演奏は全体的には意図的なレトロ調にはしていないので、今聞いてもポピュラーソング集として違和感無く聴けます。
CD-ROMの映像部分は、このCDが出た当時(1997年)のパソコンのWindows95環境で再生すると、まずピアノが置いてあるホテルのスイートルームのような部屋が出てきて、その部屋の随所にあるボタンをクリックすると、歌っているシーンや解説など個々の映像・音が出てくる、という構成になっています。ただし、今の私のパソコンのWindowsXP環境では、ピアノの部屋から始まるという全体構成がうまく動かず、個々のファイルごとに再生するしかないようです。もっとも、このCDが出た当時は映像マルチメディアがおもしろくてその部分ばっかり見ていたのですが、今の時代にあってはその映像部分はそんなにおもしろいものではなく、逆にこのCDの音楽をじっくり聴けるようになったともいえます。そしてその音楽の部分は、今でも遜色ありません。
メジャーなポピュラーシンガーによるこのような企画がもっとあったら良いのにと、映画や推理小説が好きな者としては思います。