魔法少女マガジン (別冊オトナアニメ)
本書、魔法少女マガジンは日本のアニメ界
においての2大フォーマットのうちのひとつ、ロボットアニメと並ぶ「魔女っ娘アニメ」の歴史を、特に本来女児向けだったそれが男性ファンの目に留まるようになってからという切り口で扱った一冊であり、その点に着目してもなお膨大な数にのぼる「魔女っ娘アニメ」の奥深さと幅広さを再認識させてくれる。
特にマニア向けに偏る事無く、「おジャ魔女どれみ」や「プリキュア」といった本来の視聴者たる少女達に十二分に受け入れられた上に大人のマニアにも絶大な人気を誇る作品と「なのは」のような純粋に男子向けの作品、「まどか」のような革新的作品も、飲み込む大きなカテゴリーを歴史として正しく認識し、またその制作にかかわった人たちの現在の声を聞かせてくれる編集はたんなるビジュアル本とは一線を画す資料性溢れる価値ある一冊に仕上げている。
特に着目すべきは一般にありがちな誤解「昔の魔女っ娘アニメは魔法で何でも安易に解決していた。」という誤った認識を正し、第一作(1966年)の「魔法使いサリー」においてすでに魔法の力で解決することの限界、または魔法に対する否定を描いていたことに言及している点にある、この作品には無論「魔法」によるファンタジーの楽しさが大きくクローズアップされているが、病に倒れ命を失いかけた少女にせめて魔法で最後の楽しい夢を見せたり、異国からきたハーフの少女が肌の色や文化の違いから疎外されいじめられ人格否定を繰り返され、そしてその少女を救う術は魔法には無い、半世紀近く前の作品ですでに現代の作風の礎となるプロットが続出していたのである、そして本書は「キユーティーハニー」と「セーラームーン」の関連性にも触れそれがやがて「プリキュア」に繋がることも示唆してみせる、また、セーラームーンから分化した男性視点をより意識した「レイアース」「プリティーサミー」から「なのは」へとの支流の道程、女児向けマニア向けを同時に進化させた「カードキャプターさくら」、そして全てを総括する「まどかマギカ」、特に本作のタイトルにあえて「魔法少女」と冠した新房昭之監督のこだわりを知れただけでも本書を読んだ意義があると言えよう。
魔法少女の原点たる作品は「赤塚不二夫」作「ひみつのアッコちゃん」だが、半世紀前、赤塚氏が編集者にこの作品の構想を話したところ、「現代の女の子に魔法なんて受けない」とまともにとりあってくれなかったそうだ、だが彼は強くこの企画を押し、連載にこぎつけた、「女の子はいつの時代も自分でない誰かへの変身願望がある」この信念を貫いた結果、漫画「ひみつのアッコちゃん」は大ヒット、(漫画連載自体はサリーより先)やがて「サリー」に続く魔女っ娘アニメ第二作として放映、二度のリメイク作品が放映されるほどの有名作となり、「普通の女の子が魔法の力を得る」という魔法少女の基礎中の基礎を生み出した、もしも彼がそのとき編集者の言葉に折れていたら、この魔法少女の歴史は始まらなかったかもしれない。
貴方のお好みの魔法少女、魔女っ娘はどの世代のどの娘だろうか。そのいとしのあのコにまつわる「歴史」を紐解いてみれば今まで気付かなかった魅力が見えてくるかも知れない「魔法をかけられたこの一冊の本」によって、、、
テキサス・チェーンソー・ビギニング アンレイテッド・コレクターズ・エディション [DVD]
一応「悪魔のいけにえ」のボックスも持っているのですが何度見ても今イチピンと来ません。
でも「テキサス チェーンソー」はとても気に入ったので本作も購入しました。結果はもう
凄惨過ぎて素晴らしいの一言!!幼稚園に通っているぐらいからホラーやスプラッターは散々
見てますが、流血度こそ「ブレインデッド」に譲るものの残虐度は間違いなく本作がブッチ
ギリNo.1です。また、脚本・音楽・役者達の演技・演出・カメラワーク等もとてもよく、単
に残虐でグロいだけの凡百のホラーやスプラッター作品とは完全に一線を画しています。こ
の手の作品が好きならばぜひご覧下さい。見て損はないと思いますよ。
Easy French Reader w/CD-ROM: A Three-Part Text for Beginning Students (Easy Reader Series)
初心者が始めるには手頃な教材でした。
日本のものに比べて値段も安いですし。
ただ、付属のCD-ROMとMP3、全内容を網羅してるわけではないのですね。
section1全部とsection3の最後の4章だけ。
てっきり全章リスニングできると思っていたのでがっかりでした。
まあ、あくまでreaderの教材なのだし仕方ないのですかね?
せっかくいい内容なのに残念です。
なので☆3つ。
NO MERCY (富士美コミックス)
中村嘉宏の名も併せ持つ著者の3冊目。
うらぶれた小屋の中で凌辱されるためだけに生きている少女に出逢ってしまった少年の想い『小屋のある風景』。
女主任の凌辱転落劇『BEGINNING OF THE END』。
まさに男性への快楽提供のために生まれてきた性戯人形たちの品評会『DOLLS』。
『あなたの秘めた願い叶えます』が売り言葉な『異形館』シリーズは、他人には汚されたくない女生徒の想いが具現化する『欲望の鏡』。娘への愛情が己が肉体を触手化させる『欲望の卵(前後編)』。好きな女性への欲望と自分の弱さへの苛立ちが肉体を変貌させる『欲望の指輪』からなる全4話構成のホラー系。
渇いた隙間を肉で塞ぎまくってもなお空虚に侵蝕されつづける貪欲すぎる女教師のお話『Empty』。
隣に越してきた女子大生から届いたメールに誘われた青年が見たものは…『E-MAIL OF INVITATION』。
消費されるアイドルたちの実情『LAST STAGE』。
2冊目『OVER FLOW』収録の『M』で頂点を極めたと思われたその作風にさらなる磨きがかかり、映画的な表現手法として見事に進化し三次元的空間を造り出すことに成功する。
『異形館』『DOLLS』の破壊力がとにかく凄まじい。
『小屋のある風景』はまるで、みかんRみたいなセツナサ。
『Empty』は静かなる狂気。
さらりと観れば在り来たりな単なるシチュエロでしかない残り3作品を含め全作品、その実シンプルな物語の構成の中に巧みに狂気と倦怠を盛り込んだ、まるで『ウォン・カーウァイ』の映画みたいなアバンギャルドな魅力に包まれています。
エロは思いっきりハードですが、あまりにも前衛的な手法によって表現されているため、苦手な方は手を出さない方が無難でしょう。
エロ媒体でありながら漫画としての手法がもはや芸術レベルの一冊。