古代史おさらい帖: 考古学・古代学課題ノート (ちくま学芸文庫)
本書の狙いを「一見学問の到達点のように見える事柄について...出来上がっているのか、まだそこまでは至っていないのかを、一人一人が自ら会得してほしい」としています。これが若い頃から注目され、長年考古学界を引っ張ってきた高名な考古学者の言葉とは!著者の問題意識の高さに改めて脱帽です。
「「暦」はどのように使われたか」や「「大化」は最初の元号か」など、古代史にも強い著者の指摘には相変わらず勉強をさせられます。改めて言うまでも無く、考古学と古代史は車の両輪のようなものですから、森浩一さんの双方に対する深い洞察力と実地経験が多くの人を納得させるのも頷けます。森さんの本を初めて読んだのは40年前くらいですが、森さんの問題意識の高さにビックリしたのを覚えています。
本書を読むと、当たり前だと思っていたことが実はそうではないということを改めて感じました。「古代史についてのまとまった発言は、多分この書物で終わりになるだろう」という本書を、考古学や古代史に興味のある方に是非読んで欲しいと思います。勿論ある程度勉強した方が対象です。ところで、今年80歳になる(なった?)森さんには、「この書物で終わり」とせず今後も私たちの目を覚まさせて欲しいものです。
光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-
ストーリーと世界観はファンタジーの王道でわかりやすい感じです。
キャラはかわいい二頭身なので好みは分かれるが、コレには良いと思います。
ジョブシステムが有るのも嬉しいです。
FCやSFC世代のFF好きは気に入るんじゃないかな。
ただし、メニュー画面操作性は、お世辞にも良いとは言えません。
タッチペンとコマンド操作を両立しようとして失敗したのかな。
アイテムは装備も含め個人で15個までになったので装備品などは渡す手間が入ります。
戦闘に関しては別物といえる感じです。
攻撃目標の指定が出来ません、勝手に目標を決めて攻撃します。
アイテムや魔法も同じです、回復などはHPの低い人に目標が勝手に行きます。
MPが廃止され、APになり、APは通常攻撃に魔法にアイテムとほぼすべてで消費されるシステムになってます。
その代わりに、戦闘中でもコマンドでAPが回復できるようになってます。
コレにより少しは戦略的にはなったが、面倒な一面もあります。
今回のFFは、これらシステムが好きならすごく楽しめるが、合わないと非常に苦痛になります。
迷っている人は、少し考えてから購入した方がいいと思います。
おもいでエマノン (リュウコミックススペシャル)
「エマノン」シリーズの原作者、梶尾真治が、本書のあとがきでこんなふうに言っています。
<鶴田さんのイラスト・エマノンを見て驚きました。はまりすぎてる。以降のエマノンを執筆するとき私の中でのイメージは鶴田さんのエマノンになっています。>
原作者にこう言わせてしまうそれくらい、鶴田謙二が描くエマノンは、そのイメージにぴったり。何より素晴らしかったのは、エマノンの眼差しや表情、仕草などがとても生き生きと、魅力的に描かれていること。エマノンという不思議なキャラに寄せる描き手の愛が、絵に命を吹き込んでいる、そんな気さえしました。
「エマノン」ファンは言わずもがな、ハートウォーミングなタイムトラベル・ロマンスや、切なくてちょっぴりほろ苦いSF(もしくはファンタジー)がお好きな方でしたら、きっと気に入っていただけるマンガじゃないかなあ。おすすめです☆
『おもいでエマノン』(p.6〜p.158)ならびに『エマノンのさすらい』(p.167〜p.176)が、「COMICリュウ」2006年11月号〜2007年4月号、6月号〜9月号、11月号〜2008年3月号に初出掲載されたものを再構成、加筆修正したもの。『エマノンのおもいで』(カラー・イラスト p.159〜p.166)が、「SF Japan」2002年春季号初出(扉頁は加筆)。