黒い雨 [DVD]
私がこの作品を初めてみたのが、今から22年前。
キャンディーズのすーちゃんが主役だったので、もっとチャラとした作品かと思ってました。だから、その時は、「フーン」という感じで見始めたと記憶してます。
この作品はアメリカによって原爆を落とされたことから、放射能で病気になるという、人によっておこされたものですが、いま、福島原発が地震・津波による爆発、私たちの生活に大きくかかわる人災がおこっていると思います。
もう1度、本当に大切なものを考え直すためにも、この作品をたくさんの人に見てもらいたいです。
喜劇 駅前旅館 [DVD]
製作当時の売り文句だったら・・・、名作・『夫婦善哉』のスタッフとキャストが作った文芸映画。
東京・上野にあった団体専門の旅館の番頭の周囲に起こる騒動を、喜劇風に描いている。
主人公の過去や個人芸など面白い見所が多いが、要はラストシーン。
「カッパ」と呼ばれるガイドまがいのチンピラ集団との対決があるが、雇っていた旅館は商売のためなら「黒い癒着」も辞さぬ態度で芝居で辞表を出した主人公を解雇する。カッパ達も、所詮は周囲に踊らされているにすぎない。最後の親分の行動も、少し味のある部分を残す。
後に連作されるシリーズ作を意識して観ると、意外な暗さにショックをうけるかもしれない。しかし、こうした「下町を舞台にした人情喜劇」というバックボーンが大衆にうけ『駅前』シリーズとして人気長寿シリーズに育ったといえよう。
森繁久弥氏・フランキー堺氏・伴 淳三郎氏の「『駅前』トリオ」もこの時からチームワークがよく、『駅前』シリーズ・専属の淡島千景氏や『社長』シリーズでも活躍した淡路恵子氏&草笛光子氏や藤村有弘氏・山茶花 究氏といった常連の面々が集い「森繁一家」ともいうべきスタイルが『社長』シリーズと共に確立していった。
シリーズ後期に2本撮った豊田四郎監督も、これが日本映画史上に残る名作シリーズの原点になるとは夢にも思わなかっただろう。ポスターにも、シリーズ化を前提にした(?)誤解しそうなタイトル{本当の本編タイトルは『駅前旅館』。しかし東宝発行の公式ポスターには『喜劇 駅前旅館』!}になっているのだから・・・。
あまりの暗さゆえ観るには覚悟が必要だが、原点の意識の上でもぜひ観てほしい。
貸間あり [DVD]
何とも川島雄三らしい名作だと思います。
後の「青べか物語」に通じるようなオモシロおかしな住人たちが沢山出てきますし
桂小金治が『サヨナラだけが人生か…』と呟きおしっこをするシーンはあまりにも有名。
併せて藤本義一氏の「生きいそぎの記」を読んでもらえるとより堪能できると思います。
…それはロールキャベツの作り方から始まった、のでゲス。
ドリトル先生アフリカゆき (岩波少年文庫 (021))
小学校の間で、一番何度も繰り返し読んだのが、「ドリトル先生アフリカゆき」でした。
偏屈だけど、動物には好かれる性格も素敵。
なんとなく、心が落ち着く話です。
最初は、名古屋市立鶴舞図書館で借りて読んでいました。
何度も借りて読みましたが、最後にはシリーズを全部買い揃えました。
その最初の号がアフリカ行きです。
ps.
「ドリトル」が、do littleのことだと知ったのは、中学校に入ってからでした。
師・井伏鱒二の思い出
2010年逝去された三浦哲郎が記す,師匠,井伏鱒二についての思い出。元は井伏鱒二全集の月報連載だそうです。師匠に対する弟子の畏怖,尊敬が描かれていますが,本書には,師匠と弟子の間の節度ある愛情が満ちています。このような師匠をもった三浦氏,また,このような弟子をもった井伏氏がうらやましく思えると同時に,交流の背後にあるそれぞれの深い井戸(三浦哲郎の小説,井伏鱒二の小説)をのぞき込まなければならないという気持ちになります。
●井伏氏。私は平凡な言葉が好きでありたい。●井伏鱒二と中野重治。三浦氏の小説「笑顔」。●大佛次郎。「群れを離れて静かに佇む姿は生涯忘れないだろう」●「私は,先生がどこかで見ておられると思わずにどんな短い文章も書いたことがなかった」●「そっとドアを閉めて動き出した窓から,門前の暗がりを透かして見るが,もう先生はどこにも見えない」