ペルソナ4 キリノアムネジア (ファミ通文庫)
いくつかの方のレビューを読んで購入しましたが、楽しめました。以下ネタバレを含みます
小西先輩というキャラをが本編からずっと気に入っていたので、たとえシャドウでも彼女の違う一面を垣間見れて嬉しい気持ちになりました。
花村が最初からアムネジアに心を許していないなど、小西先輩の容姿に惑わされず、現時点の花村なら冷静にそう思うだろうと客観的にキャラクターの意志を書いているところに好感が持てました。
あと山野アナのシャドウに対する嫌悪感も(私は女性ですが)それほどなかったです。ゲーム本編の主要キャラクターのシャドウ化と大して変わらないかと…。確かに露骨なことは二言三言ありましたが、気にするレベルじゃないかと。
逆に、花村の千枝や雪子に対する変に腰の低い態度というか、「かわいい女の子」という表現には首を傾げました。ゲーム中では口喧嘩ばかりしてるイメージがあったので、今回やたらと花村が折れるなぁと。作者の主観的な部分で?となる方もいたのではないでしょうか。
個人的には、雪子と千枝の会話が退屈でした。というより、肉のネタを序盤から後半まで何度も持ち出してくるので飽きてきます。
オールラウンダーよりも、自分のように目当てがないと不満かもしれません。個人的には満足だけどそういう部分があるので、☆4つ。
1/700 特シリーズ No.46 日本海軍巡洋戦艦 天城
船体部分を組んでいるときは「なんか間延びした長門みたいだなー」って感じだったのが、艦橋など上部構造物を取りつけたとたんに印象が一変して、素晴らしいスタイルになりました。英国のフッドに匹敵するほどで、もし当初予定どおり巡洋戦艦として完成していたら「最も美しい日本戦艦」と呼ばれていたことでしょう。キットはシンプルながら大変に繊細な出来で、前後の旗竿が太すぎる以外は、ほぼそのまま組むだけで質感高い天城が再現できます。欲を言えば、第一煙突に「直」と「曲がり」の好きな方を選べるコンパチになっているとさらに良かった…長門以上に曲がり煙突が似合いそうなので。このキットをきっかけに、他の日本戦艦たちの1920ごろの姿などもキット化されると嬉しいですね!
レッド(1) (イブニングKCDX)
かの有名な山本直樹先生が、殆どエロなしで
連合赤軍の結成から山岳ベース、浅間山荘までの軌跡を描いた作品。
FSSの巻末の年表のようにそれぞれの人物の相関図がまとめられて、
登場人物のうち誰がいつどのように死ぬのかが読者が始めから分かるようになっている。
その1巻の巻末で「なぜこんな真面目な人物が命を落としてしまうのか?」という問いが書かれているが、
僕はやはり「真面目だったからこそ命を落とした」というのが答になるのではないかと思う。
学生運動世代で東大卒の池田信夫先生が、
「学生運動に参加したのは地方の高校から出てきて、大学に友人がいなかったやつばかりで、(集団で入学してくる)灘や開成出身のやつは
学生運動に参加しなかった」
と仰っている。
また学生運動に参加した多くの学生がその後普通に就職したこと、
新左翼とロスジェネ (集英社新書 488C)にもあるように、学生運動はある種の自分探しだったという議論もあることを
考えると、
学生運動は、とどのつまり「友達がいないやつが集まったサークルの自分探し」で、
友達が見つかって青春をそこそこに謳歌できた人らはそこでおしまいになってしまったのだ。
で、真面目な彼らは学生運動をやめることも出来ず革命を夢見て犯罪や暴力も辞さなくなり、
テロリストたちによるカルト集団になってしまったと。
というわけでこの漫画は、あらかたの不真面目な人たちが運動から足を洗って何事もなかったかのように就職していくなかで、
殘った真面目な人たちがどのように破滅(というか自滅)していくかを描いた軌跡なのだと思う。
でも「サークルで合宿に行って友達を沢山殺して警察ともドンパチやりました」なんて結末は
どう考えても許容できるものではないし、仮にテロに走らなくても彼らの思想は同意できるわけでもないのだが。
友達欲しいなら他所でやれよ、と。
ブレイズメス1990
「ブラックペアン1988」の2年後の世界です。
垣谷講師と、世良はフランスへ。
そして、モナコで天城医師と出会う。
後の作品となる「螺鈿迷宮」の主要登場人物である碧翠院桜宮病院の桜宮巌雄とすみれに双子姉妹、
「チームバチスタの栄光」で登場する桐生など、シリーズ作品を読んでいれば、おお!という人物の若き日に出会えるので非常に楽しめます。
(世良が主役のせいか「極北クレーマー」の極北市も冒頭でちょこっとだけ登場)
「ブラックペアン1988」では、世良、高階、渡海と佐伯教授が患者、命と真剣に向き合う姿勢が非常に印象的で、いい作品だったのですが、
本作「ブレイズメス1990」は、患者の命とカネがの話が出てくるのと、終わり方が私的にもう少し何か・・・という物足りなさを感じてしまいました。