立松和平 ランキング!

立松和平 永平寺 「104歳の禅師」・「修行の四季」 [DVD]

よくぞやってくれました。この映像をとるまでに編集者は歯を食いしばる根気、努力があったことでしょう。
永平寺をまる裸にした歴史上始めてのドキュメンタリーだと思います。朝3時から寝るまで、食事、風呂、読経、一年間に渡って永平寺の様子が描かれています。宮崎禅師のお言葉も大変心がしみました。普段、何気なく働いているビジネスマンの方にとっては「生きるためのヒント」になるのではないでしょうか。 永平寺 「104歳の禅師」・「修行の四季」 [DVD] 関連情報

立松和平 遠雷 (河出文庫 132A)

この年代の作家は苦手である。

変に政治的な発言をしたがったり哲学的な小難しいことを語ったりする傾向があるからだ。
学生運動と青春時代の重なった作家が多いからかもしれないけれど。

さらに悪いことに、そういう傾向を好んでやたらと政治的な発言をしたがるクラスメートが、そういう傾向の作家を偏愛していたりして、私の辟易さ加減にさらに拍車がかかってしまうのだが。

だから、なるべくこの世代の作家は読みたくないのだが、この映画版は好きなので、機会があれば原作を読みたいと思っていた。

以前から気になっていたのだが、立松和平にはどれほどの読者がいたのであろう。
立松和平を愛読しているという女学生もクラスメートも周りにはいなかったから、この人は本当に小説を書いて生活しているのだろうかとずっと思っていた。

本屋に行ってもほとんどその本を見かけたことがなかったから、私の世代ではニュースステーションのレポーターと言ったほうがしっくりくる。ほとんどの人がそういう認識だったのではないだろうか??

あるいは映画『遠雷』の原作者という感じに。

小説の内容は、映画とほぼ同じ。映画を見た人は違和感なく読めるのではないかと思う。

でもむちゃくちゃ面白いかと問われると返答に困る。
映画は面白いけれど、小説は当時の宇都宮の風俗とお百姓さんの生活を活写しているだけで、それなら映像のある映画版でもいいのではないかと思ってしまう。
この原作がなければ、映画もないわけだけれど。

当時は宇都宮の小川でも鯉だの鰻だのが採れたとか、お百姓さんが競って豪邸を立てたとか、へぇとは思うけれど、それはそれで、当時の地方都市ではめづらしい風景ではないし、地方の若者の娯楽が盛り場のスナックだったり車だったりというのも同様だし。
ただ、この作で注目すべき所は、粘つくような視線による描写と栃木弁(宇都宮弁??)の会話ではないかと思う。
栃木を舞台にした小説というのをあまり知らないし、ましてや栃木弁で書かれた小説なんて聞いたことがないから貴重である。

まだ、作品としては古典の域には至っていないけれど、もう数十年(これが書かれてから既に数十年経っているのだが)経ったら、栃木の風俗を伝える小説として再評価されるかもしれない。

でもそれなら、映画版でも代用できるのではないかと言われてしまうかもしれないけれども。 遠雷 (河出文庫 132A) 関連情報

立松和平 こどものためのサティ

高橋アキさんが弾くサティのこどものための音楽に、サティ自身が付した詩を秋山邦晴さんが訳出し、立松和平さんが翻案し朗読したものを合わせる、という構成。良い企画だと思います。

高橋アキさんのサティは定評のあるところですが、ここに収められているサティの基準からしてもシンプルな曲たちではスッキリとしたピアニズムが冴え、まさに独壇場に思われます。

立松さんの語りは、てっきり曲間に挟まれているのだとばかり思っていましたが、実際は演奏にかぶっていました。正確に言うと、曲だけの部分、語りだけの部分、語りが曲にかぶっている部分に分かれます。バランス的にかぶっている部分がちょっと多過ぎるかな、と感じるのは、実は立松さんの語りに対する違和感が消えない、という理由なのかもしれません。

サティの音楽に合わせるのに「朴訥とした語り」は良いと思いますが、立松さんの北関東アクセント丸出しの語りは逆にある意味「強烈」で、サティの洗練された音楽に合っているとも思えず、個人的には最後まで馴染めませんでした。

「朴訥とした語り」といえば、まず市原悦子、常田富士男という日本昔ばなしのコンビが思い出されます。彼ら、あるいは岸田今日子さんのような人の方であったら、この企画により合っていたんじゃないかなあ、と思うのでマイナス★ひとつ。

あと、「スポーツと気晴らし」の楽譜に1曲ごとに1枚挿入されていたというシャルル・マルタンの版画、あるいは、あとで日本でいくつかの曲に付けられたイラストなどもジャケットで見ることが出来れば、より楽しめるものになったんじゃないかと思うので、そこもマイナス★ひとつ。 こどものためのサティ 関連情報

立松和平 道元禅師〈下〉 (新潮文庫)

一度は道元禅師を知りたいと思って読みだしたが、簡単には行が追えぬ。この本を読もうとする人は、余程の覚悟をして取り掛かるがよかろう。しかし、宗教哲学がしっかりと叙述されている。 道元禅師〈下〉 (新潮文庫) 関連情報

立松和平 光の雨 (新潮文庫)

セクト間の内ゲバと並んで、新左翼運動を完全に一般大衆とは無縁なものとしてしまった連合赤軍事件。この事件を総括しない限り日本での大衆運動の復活はありえないと思う。ここでいう総括とは本書で用いられているのとは違って克明に事実関係を明らかにし、どこでどう彼らが仲間を殺すことになったのかを明らかにすること、そして二度と同じ轍を踏まないことである。

フィクションと断り、党名や人物名を変え、老人が語るという手法を用いてもなお、「総括」という名のリンチの生々しさは途中で本書を投げ出してしまいたいほどだ。新撰組の山並敬助が自害させられるときに似た感覚を、14人分味わった。中学生のとき、いじめられている同級生を見て見ぬふりをしたことなんかも思い出す。小さな「総括」は今もどこかで行われている。口の中がざらざらする本。 光の雨 (新潮文庫) 関連情報




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