京四郎と永遠の空 ランキング!

京四郎と永遠の空 京四郎と永遠の空―前奏曲 (富士見ファンタジア文庫)

 登場人物の台詞の洗練度が凡百なライトノベルを超越した、大変高度であるのに較べて、世界感とか状況説明とか背景説明が、あまりに貧弱で、そのまま設定を列挙しているような印象を与え、圧倒的に情景描写の貧困さは否めない。
 いわば高級欧州車に50ccバイクのガソリンタンクしか詰んでいない感じであり、著者はビジュアルの人だから「絵で説明」すれば、納得されるから、本業の小説家のようなこだわりがないのだろう。
 したがって小説としての完成度を期待をして読むと失望するが、本作品は「戯曲」として完成度を評価するべきであり、音読をする or 舞台などの演劇化、ラジオドラマのシナリオとしては価格以上の作品であり、大変価値がある作品である。

特筆するべきは
 たるろっての「何もない」ものに感情や概念がロードされていく描写が、「何もない」という概念をダイアローグでありながら説得力があり、とりわけお菓子の始めて甘みを感じるなどの、台詞の選び抜かれた語彙や表現は、一般文学にも負けない情報量であるし、

その他にも
 かおんとひみことの関係の変化とその後の「倒れる」までの描写は、すさまじい密度である。 京四郎と永遠の空―前奏曲 (富士見ファンタジア文庫) 関連情報

京四郎と永遠の空 Glassy Heaven

とにかく透きとおるような声質で、楽曲の雰囲気を壊さずに…というか、楽曲の溶け込みすぎてこわいぐらいのクオリティを持っています。

この手の歌を歌う方は、バラードに偏りすぎて飽きがきやすい…っていうのはよくあるのですが、Ceuiさんは違います。
小高さんの手がける楽曲はバランスがとれていて、アルバムを通して全く飽きがこない、むしろ何回でも聴きたいと思わせます。

今回はベストアルバム的な感じで、シングル曲を詰め込んだような形になっているので、今後アルバムが出たときにどう世界観を表現するのか、
その辺が気になるところです。SOUND HORIZONのアルバムにも参加したようで、いろいろな意味でこの先が楽しみな方です。 Glassy Heaven 関連情報

京四郎と永遠の空 京四郎と永遠の空 (1) (カドカワコミックスドラゴンJr)

テーマは物と人間の恋、三角関係、空・せつな・京四郎の成長だと言えます。

展開が早い割にとてもたくさんの要素が詰め込まれているので、
(言うなら学園コメディ+恋愛+メカアクション+ファンタジー+少女漫画)
物語についていくのが大変で、好き嫌いの分かれる作品だと思います。

まず主人公の白鳥空ですが、ちょっと感情移入しにくいキャラです。
けして嫌な子というわけではなくて、彼女なりに考えて動いているのですが
せつなの強さのせいか、いらない子に見えてしまうのは否めません。
また京四郎は、せつなに対する命令や態度があまりに酷で、
逆に空には優しく、その温度差は読んでてつらいものがあります。
メインキャラなのにも関わらず、良い部分が立ってないのが残念です。

そして物語の鍵である、人間ではない絶対天使と呼ばれる戦闘兵器ですが、
この絶対天使はとても魅力的に描かれています。
反面悲しいエピソードも多く、思わず涙がこぼれそうになる場面も多いです。
平和な世界で戦うための道具である自分は必要ないと自覚しつつ、
京四郎に服従し、尽くし、共に闘うせつなの姿には、とても胸を打たれます。

演出面ですが、一昔前の少女漫画のようなお花畑やキラキラ演出を多様し、
「白馬の王子様」、「お姫様」、「ときめきの白昼夢」など
読んでてむずがゆくなるようなセリフでいっぱいです。
こういった部分は、苦手な方にはとことん駄目だと思います…

と、一般の方におすすめするにはいろいろな問題点はありますが、
絵は安定して綺麗で、女の子は愛らしく、男性は美形に描かれています。
歴代の介錯先生のキャラがアレンジを加えられて総出演しているので、
好きなキャラを探してみるのもまた一興です。 京四郎と永遠の空 (1) (カドカワコミックスドラゴンJr) 関連情報



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